- 作者: 鳴沢真也
- 出版社/メーカー: 旬報社
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
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本書自体は、中高生を対象にして書かれているので、それほど専門的な内容は無い。ただ、従来のSETI本との違いを出したいという著者の意向があり、トピックは面白いものがある。
「いろいろなSETI」の章では、SETIのアイディアが簡単に列挙されている。「ダイソン球(赤外線)」「核廃棄物(恒星スペクトル中に異常なものがないかを探す)」「太陽系外から送り込まれた探査機(ラグランジュ点を光学調査)」「高速宇宙船の航跡(ガンマ線バースト)」「ニュートリノ」など。
OSETIのWoW信号とも言える結果も簡単に紹介されている。
2003年8月17日、じつは、それが起きたのです。HIP107395という星の観測中でした。1000分の1秒の差で、両天文台で信号をキャッチしたのです。(p.68)
2007年11月に行われた「どこの通報する?」の議論のことも簡単に紹介されています。読んでみるとあまり有意義な議論にはならなかったような印象を受けました。「発見者がアマチュアの場合だと、国連事務総長への連絡ができない可能性がある」というのは、たしかにそうだ。民間人が国連事務総長に接触できるわけないものな。
そして、もちろん先生の専門であるOSETIの説明も念入りに。UFO問題では苦労もしているようです。
著者の鳴沢先生のページは http://www.nhao.go.jp/~narusawa/oseti/narusawa-seti.html。なお、今年の9月に「全国同時SETI(地球外知的生命探査)観測実験」というのを予定しているそうです。