- 作者: 佐藤康光
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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本当の入門書なので、基本ルールやコマの動き方の解説から始まる。そして、大きな流れの解説と基本的な考え方の紹介。「陣形を組んだら歩を突いて戦闘開始」、「中盤は駒得」「終盤は寄せ」で考えるのが良いとし、コマのスコアの例も示している。
その後定石の解説が入るのだが、「飛車をどこに置くかでどこを攻撃するか決まる」「飛車の置き方は、そのまま(居飛車)か動かす(振り飛車)かである」「よって、組み合わせは3つ。相居飛車、居飛車対振り飛車、相振り飛車」として、それぞれの序盤の定石を紹介している。(ゴキゲン中飛車戦法って、梅田本の中に単語だけ出てきて何かと思っていたが、解説されていた。)
将棋の入門書など読むのは何十年ぶりだが、最近はこういう解説なのかな。好みに合わせた戦法で陣形を組んだら、中盤戦は駒得になるように戦い、最後は寄せ。そして、陣形を組むまでの部分は定石として示して、あとは思いのままに遊びなさいという方針で書かれている。
その後に、今年の棋王戦の第四局を、前段で行った説明の流れに合うように解説しながら紹介している。
最後は、詰め将棋。ここは小学生向けということで、一手詰めと三手詰め。
プロのタイトル戦の棋譜紹介というのにはちょっと驚いた。しかも解説が前半で行った説明に沿ったものなので、分かりやすい。梅田さんの本もそうだったけれど、見る人、これからやる人、に対して意識的というのは、将棋界全体で共有されているものなのでしょう。