k-takahashi's blog

個人雑記用

量子回廊

量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

 2009年の傑作短編集。これで3年目。ちなみに、「呪文」(貴志祐介)と「自生の夢」(飛浩隆)が、入れたかったけれど入れられなかった短編だそうです。それでも、600ページ超で19編の堂々たるボリューム。どうにもそりの合わない新城カズマは飛ばして、あとは再読分も含めてのんびりと読む。


 どれがいちばん面白かったかというと、巻末の「第1回創元SF短編賞選考経過および選評」だったりする。大森望日下三蔵山田正紀の三氏の選定理由の部分が本気で面白い。

 その短編賞の受賞作が「あがり」(松崎有理)。途中の展開や描写が面白い。それと比較して最初と最後がちょっとピンとこないと私も感じたので、選評にはおおむね同意。中編くらいにしてしまう方がいいのかも。


「心の闇」(綾辻行人)と「確認済飛行物体」(三崎亜記)のオチには笑った。星新一系と言うのかな。