k-takahashi's blog

個人雑記用

「ホメオパシー」についての日本学術会議会長談話

 日本学術会議が会長談話としてホメオパシーについて言及。

唐木 一番大事なところは、たぶん会長談話の一番最後の3行になります。ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています。それを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為です。このことを多くの方にぜひご理解いただきたいと思います――というのが、一番大事なところだと思います。

アピタル(医療・健康・介護):朝日新聞デジタル

と明言した上で、日本ホメオパシー医学協会の「ホメオパシックジャーナル」の記者の意味不明な質問も一刀両断。

記者5 議論ではなく、調査というのは、どのぐらいホメオパシーについてされたのでしょうか。具体的に、調査が世界中のホメオパシーについて。これを見ると、あまり深く調査されていないような。
金沢 これ見てください。
記者5 あの、、、
唐木 科学の世界では、ホメオパシーは100%否定されています。それで十分だろうと思います。
記者5 調査はどのぐらいされたのかを教えていただきたい。
唐木 調査って、何をおっしゃっているのですか?
記者5 ホメオパシーに関する。
唐木 ホメオパシーの何ですか。ホメオパシーの有効性ですか。
記者5 有効性かどうかわかりませんが、実態がどのようになっているのかという点と、あとホメオパシーが現在問題になっているといいますが、問題になっていることが事実なのかどうか、事実になっているかわかっていないものをあげられていますけども。そのへんについてどのようにお考えになっているのでしょうか。
唐木 会長がさきほどご説明されたように、科学でないものを治療と称して使うことは、適切ではない。というのが、われわれの見解です。

アピタル(医療・健康・介護):朝日新聞デジタル

何人も死人が出ているということが問題になっている最中に、「問題になっていることが事実なのかどうか、事実になっているかわかっていない」と平然と言い切れるところがホメパチ。


 という、良いニュースだなと安心して読んでいたのだが、実はこのニュースの中に、こんな記述もある。

さきほど「科学リテラシーの向上」といいましたが、誰が向上するのかというとそれは厚労省の方なんで、向上してもらいたい。直接自分で聞いたわけではないですが、厚生労働大臣がなにか口走ったことがあるようで、それはやはり、向こうで考えてもらわないといけない。

アピタル(医療・健康・介護):朝日新聞デジタル

 そして、実は結構危なかったのではないかという指摘をしているエントリーを見つけた。


今年1月29日に鳩山前首相が統合医療推進を発言、2月5日には厚労省が「統合医療プロジェクトチーム」を発足させ、2月26日には情報収集を終了しているのだ。幸いこの後、小鳩政権は迷走を続けこの話は沙汰止みになったかに見えた。
しかし、実は内定進行が進んでいた可能性があるのだそうだ。

さてホメオパシー側の「誠意と熱情」なんですが、その動きはやはり他に知る者は増えると考えるのが自然です。ホメオパシー側の「誠意と熱情」は支持者を増やすのも目標ですから、対象としてホメオパシーに好意を持っていない者にも及んでいると考えるのが妥当です。そういう線から、日本学術団体なりに内定進行の情報が届いたとしても、これまた不思議ではありません。
厚労省が検証会議を開くとなると、勝負は会議室ではなく会議が開かれる前に決しています。そういう段階まで進んでいる情報をつかんだんのではないかと推測しています。一度会議が開かれてしまうと、「結論ありき」をひっくり返すのは事実上不可能なのは、御用会議の御用学者の供給源の性質も持つ学術会議なら百も承知かと考えます。

2010-08-26

つまり、小鳩政権・厚労省がホメパチへの保険適用を決めていた、という可能性である。


 これが説得力を持つのは、1年ほど前の医薬品ネット販売規制問題がまさに、一部団体の利益のための結論ありきの会議だったという実例があるから。

いままで議論してきたのに、我々(厚労省)が勝手に決めてそれで出しちゃって、パブコメ決めて、あとは最後やってくださいねと。だったら、そんなのやんなくていいじゃん。そんなの。一応最後お墨付きもらいましたみたいな話ですよね。

医薬品のネット販売規制で世論巻き起こるか--ターニングポイントの検討会議事録 - CNET Japan


 ことの真偽は調べてみないと分からないのだが、実はかなり危ない瀬戸際だったのかもしれないというこの指摘には背筋の凍る思いである。