k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究2010年11月号

軍事研究 2010年 11月号 [雑誌]

軍事研究 2010年 11月号 [雑誌]

特集は中国の軍事力と自衛隊の23年度予算・計画。現在および近い将来、日本にとっての最大の脅威は中共ということで、この2つは不可分の問題となっている。その辺りの分析記事が集められている。陸自予算を田村尚也氏、海自予算を多田智彦氏、空自予算を小林晴彦氏が、それぞれ解説している。


一つ自分が見落としていた指摘があって、「陸上自衛隊の抱える危機、人員確保と島嶼防衛」(芦川淳)の中に

防衛予算への影響はまだ存在する。民主党政権の目玉政策である子供手当がそれだ。省庁の職員子弟に支給される子供手当は各機関で計上されるが、防衛省の場合、その数が二○万入超と膨大であるのに、GDP一%という足かせがあるがために他の予算を圧迫しているのである。装備品のローン払いと人件・糧食費はすでに削減の限界まできているので、とどのつまり普段の買い物である一般物件費のなかで納めるしかない。(p.32)

とあった。これは痛いな確かに。


海外派遣の事前訓練の「ロールプレイ演習」について菊池雅之氏が紹介している。
米軍やオランダ軍がアフガニスタンを再現した演習場で現場に非常に近い環境で体験してみる訓練をしている紹介。

米軍のアフガン戦専用のロールプレィ式訓練施設として建設された。町の住人は本物のペシャワール人たちで、アフガニスタンと同じ生活をする。現地の衣装を着て、現地語を話す。(p.166)

取材者といえどもこの町へ足を踏み入れた時点で例外はない。ヨーロッパ人記者がブルカを着た女性を撮影しようとすると、老人から「女性は撮影するな」と怒鳴られていた。これは私も「アフガニスタンへ取材に来たジャーナリストだ」と役を演じるしかないのである。(p.168)

これだけ苦労してもトラブルを完全には防げないんだなとも思うし、一方でトラブルの発生率は確かに下がっているのだろうとも思った。