- 出版社/メーカー: ジャパンミリタリーレビュー
- 発売日: 2011/07/08
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デルタ機の特徴の一つがハードポイントが多いことで、今回のような任務には向いていることになるはず。
グリペンが燃料不足(空軍規格のIP-8燃料が必要だったのに、作戦拠点のシゴネラ基地には、海軍規格のIP-5しか備蓄がなかった。)とか色々大変だった。
ただ、まだ公開情報が少なく、本記事も暫定報告という位置づけ。
『内戦のリビアと虐殺のシリア』(黒井文太郎)は、中東民主化運動のその後について。チュニジアとエジプトが比較的平穏なのは、軍部が独裁者一族から独立していたからで、逆にリビア・イエメン・シリアなどは軍部が独裁者の私兵と化していて泥沼化しているという分析。なるほど、中共が「党の軍隊」にこだわるわけだ。
『16大綱 最後の陸自年度末改編の裏側』(田村尚也)は、4月(本当は昨年度中に行うはずだったが、震災対応で遅れた)についての分析記事。幾つか、メモ代わりに抜き書き。
ここに挙げられている「自体の特性に応じた即応性」は「高い機動性」を備えた部隊の編成こそが、この『16大綱』に基づく部隊改編の最大のポイント。(p.76)
『16大綱』では、その即応予備自衛官が減らされる一方で、いざというときにすぐに動ける常備自衛官が増えているのだ。つまり『16大綱』は、人員全体の規模を縮小する中で即応性の向上を目指しているのである。(p.76)
今回の改編では、北部方面隊直轄の北部方面対舟艇対戦車隊や第4師団隷下の第4隊舟艇対戦車隊は手つかずのまま、第5旅団隷下の第5隊舟艇対戦車隊が廃止される一方で、第2師団隷下に第2隊舟艇対戦車中隊が新編された。
これでは、MPMSを今後は方面隊レベルで運用していくつもりなのか、師団・旅団レベルで運用していくつもりなのか、はっきりしない。(p.84)
『米英が仕掛けたイランのクーデター1953年』(橋本力)は、イランのモサデク政権転覆工作についての解説。冷戦開始後の米英の組織事情も踏まえているのだが、一度工作に使った人材は諜報には使えなくなるというあたりも具体的に書いてあって面白い。
『再考 ロシアの武器輸出(軍事技術協力)』(小泉悠)は、3年前の予測記事の検証と最新情報紹介。対中国から対インド・新興国へのシフトの具体例が紹介されている。
中国のSU-27SK無断コピー(J-11B)問題や、対米カードとしてのイランへのS-300輸出問題、世界各国への売り込みなど。
他に、『核兵器事故 ブロークンアロウ』(野木恵一)(冷戦中の核兵器事故解説。結構たくさん起こっている)、『アクティブ防護システムトロフィ』(一戸祟雄)(メルカバに搭載されたアクティブ防御システム。コスト、信頼性、同時対処能力などが課題)、『現代戦車のコンピュータ化とC4I装備品』(井上孝司)(ハード的、ソフト的課題の整理)など。
リュティ・リッペントロップ協定の役割が通説(敗北寸前だったフィンランドは、リュティ・リッベントロップ協定によってもたらされた軍事援助によってなんとか戦線を支えることができ、最終的にソ連軍による占領を免れ、現在につながる独立を維持できた)と違うかもしれないという斎木伸生の説も面白かった。