- 出版社/メーカー: ジャパンミリタリーレビュー
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (1件) を見る
陸幕装備部副部長のインタビューは兵站について。
今回の震災対応について
今回の震災対応にあたり様々なニーズに基づき物資等を調達しましたが、必要な時期に必要なものを必要な量だけ緊急に調達できたことは、国内にある生産基盤の存在があったからです。輸入品であれば今回のような緊急調達は不可能であったと思われます。生産基盤を国内に維持することの重要性が今回の震災により明らかになったと考えます。(p.31)
という部分があり、そうだよなと。
奈良原裕也氏の『アメリカ陸軍の現用主要兵器と将来計画』には、米陸軍の現状と開発動向についての記事。FCSの開発中止など一見縮小方向のようだが、その実情を解説している。
ハンビー後継の説明の部分で
支援車両に関しても、不正規戦に対応できるよう防御力強化が必須の状況となっており、そういう意味ではJLTVがどこまでハンヴィにとって代われるか今後一○年間は注視していきたい状況である。(p.55)
とM-ATVだけでなく支援車両も装甲重視らしい。
野木恵一氏の『エアシー・バトルを解読する』は、対中共の米軍の方針の解説だが、第一列島線の内側と外側ではAWSが変わるのだ、という指摘が興味深かった。
また、中共の「A2/AD」を翻訳すると
A2は沖縄や佐世保、横須賀の基地をアメリカ海軍が使用できないようにする能力、またADはアメリカ海軍が日本の近海で自由に活動できないようにする能力、ということになりそうだ。(p.64)
としている。
ただ、このA2/ADは別に軍事的に実現する必要は無い(日本に反米政策をとらせれば済む)とも指摘しており、野木氏は本記事中では、エアシー・バトルを空論っぽいと評している。
黒井文太郎氏の『アメリカ資料で読む中国サイバー戦』は、
- 米中経済安全保障調査委員会の二○一一年版年次報告
- 国家防諜室の報告書
- 民間調査機関「プロジェクト2049研究所」が作成した「中国人民解放軍の信号情報収集とサイバー偵察の基盤」
の3つの報告書の概要レポート。
「ツールの設定エラーから、中国本土からのコマンドを隠蔽しようとしていたことが判明した」とか、日本を狙っているのが「青島の第3部第4局(「第61419部隊」)」だとか、といったことが書かれている。
井上孝司氏の『空中レーザー砲ALTB』は、レーザー兵器試験器機「ALTB」の解説記事。
大気圏内でレーザーを使うために、「大気の窓」とか「適応制御光学」といった、天体観測分野で翼耳にする技術が使われているというのは、言われてみればその通りだ。
また、ALTBは実用上の課題や制約が幾つもあるが、それらは主に「使用コンセプト」に起因するものであり、技術上の課題とは別だというのも、重要だと思う。
斎木伸生氏の現地レポートシリーズ。今回はリトアニアの続きで、小林源文の『街道上の怪物』の現地に行ってみたという話。
残念ながら現場がどこだったのかは分からなかったが、「面倒なのがいるから迂回しておけばよい」という地形ではなく、実際大変な足止めになったのだろうな、というのが伝わる記事だった。