これを見た、日本人の中にはこれを「習近平になってチベット政策に変化が訪れる印ではないか?」と取る人も現れているようである。そこで、今回は「本当にそうなのか?」について考えてみる。
チベットNOW@ルンタ:青海省の一部の県で僧院内にダライ・ラマ法王の写真を掲げる事が許可されたことは北京のチベット政策軟化の印か?
この記事の著者は、
私はひょっとして中国政府は次期ダライ・ラマを見据えてこの決定を下したのではないかと勘ぐる。現在の14世ダライ・ラマが崩御された後、中国政府が15世を選ぶことはほぼ間違いないことだ。この時、今のまま「ダライは角の生えた悪魔」という言い方を続けていたとすれば、政府は「悪魔の転生者を選ぶ」という矛盾に陥る。次期ダライ・ラマを権威付けて政治的に利用しようというもくろみを自分で潰していることになる。そこで、そろそろ先を見越してダライ・ラマのイメージ回復をもくろんでいるのではないか?と私は思ったりした。
チベットNOW@ルンタ:青海省の一部の県で僧院内にダライ・ラマ法王の写真を掲げる事が許可されたことは北京のチベット政策軟化の印か?
と推測している。
つまり、14世が亡くなった時点で、中国共産党が自分の息のかかった人物をダライ・ラマ15世に仕立て上げ、中国共産党に忠誠を誓わせるのではないか、ということ。
実際、中国共産党は、
中華人民共和国国務院が2007年9月1日に転生を届出ならびに許可制とする「チベット仏教活仏転生管理弁法」を施行し、活仏の転生霊童の認定にあたっては国家宗教事務局への事前申請ならびに許可を必要とすると定めた[85]。すなわち、中華人民共和国国務院の許可がない活仏は違法で無効とされることも影響している
ダライ・ラマ14世 - Wikipedia
という法律を定めている。勝手な法律を作っておいて、「これは法に定められている」と強弁するのは彼らの常套手段である。
このように正しく論争の余地のなく認定される化身以外には、それとは別に政治的必要性を満たそうとする目的で、たとえ中華人民共和国の権力者などの如何なる政治権力を有する人物が、次の化身を選出することがあったとしても、その人物をダライ・ラマの化身と認定する必要はありませんし、そしてそれを信仰して受け入れる必要はないのです。このことを心に留めておいていただきたいと思います。
ダライ・ラマ法王が発表された次期ダライ・ラマの化身認定に関わるガイドラインについての声明文 | ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
ダラムサラにて、チベット暦2138年第17ラブチュン鉄卯歳7月27日、西暦2011年9月24日記す。善を願って。
という声明を出している。
既に関係者は十分承知のことと思うが、備忘録代わりに記載しておく。