- 作者: 岸本好弘
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/03/12
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(なので、産業論的なこともちょっとだけ書かれている)
特に学生さんに分かりにくい「プロデューサー」と「ディレクター」の違いは、割と強調されて何度も書いてある。
プロデューサーは、ビジネスモデルやビジネス展開を考えるのが仕事(p.78)
なので、宣伝やタイアップなんかもプロデューサーの仕事となる。
一方、ディレクターはと言うと、
ディレクターは、この時期、次の3つの作業を行います。
企画書の作成
予算書の作成
開発戦略会議のプレゼン
(p.92)
進捗管理
品質管理
他部署への依頼
(p.93)
なので、
製品にバグが残っていた場合の責任はプロデューサーではなくディレクターにあるのです。
(中略)
ゲームが売れなかった場合の責任はプロデュサーにありますが、ゲームのクォリティに関してはディレクターの責任となります。
(p.94)
笑った例え話があったので引用。
プロデューサーは織田信長でディレクターは明智光秀とみなしてもいいでしょう。ただし、信長・光秀のプロジェクトは最後に失敗してしまいます。無茶を言うプロデューサー信長にディレクター光秀がキレて、信長を殺してしまうからです。この失敗例は、プロデューサーはディレクターにあまり無茶を言ってはいけないという教訓を物語っています。(p.97)
企画書の書き方やアイディアの出し方についても、内容自体はよくビジネス書に書いてあるものだけれど、学生向けに分かりやすく書いている。
特に第4章の「ペラ企画を書こう」のところは、普通のビジネス書的な視点でも結構参考になると思う。ペラ企画は1枚の企画書で、毎年CEDECでイベントが開催されている。ゲームネタで、過去のペラ企画が公開されていることもあり、これは上手い説明だと思った。
とは言え、やはりターゲットは学生さんですね。普通のビジネスマンだと、岸本さんのエピソードを楽しく読むといった辺りの読み方になると思う。