k-takahashi's blog

個人雑記用

アンパン的革命 〜バブル時代の菅浩江

1996年にアスペクトから出た同名の本のKindle版。元々は1989〜92年に書かれたエッセイ。再刊に合わせて2014年でのコメントが追加されている。
執筆時の菅先生は20代なので、若いというか勢いがあるというか、今から見るとそういうところも面白い。


『博物館惑星』や『誰にみしょとて』に取り込まれたネタがチラチラでてきますね。
「化粧の理由」という90年のエッセイには、化粧と社会の関係の話が扱われています。

紅を引き、ティッシュで口をンパッとさせた瞬間、女は社会の一員になる。色と線で隈取られた顔で、他人の中の自分、自分の中の他人の地位を確定する。いわば化粧は鎧であり武器なのだ。(No.499)

「逆引きフレンドシップ」(1992年)には、情報検索の話。

最近は電子ブックやデータベースが現れて見出しだけではなく本文からも検索できるシステムがあるそうだが、まだまだ高価だし、実用性についても評価はまちまち。
やはり人間の頭には勝てないのだ。
(No.2012)

横町曲がれば市井の専門家がいるという社会状況でもなく、また気楽に物を訊ねられる人間関係すら失いつつある現在では、人の脳の代わりを務められるだけの逆引きの方法の必要が高まっている、のだが
(No.2020)