ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)
- 作者: ゲームサイド編集部
- 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
- 発売日: 2014/07/30
- メディア: Kindle版
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1970年代、イリノイ大学のPLATOというコンピュータシステムが舞台。まだ「パーソナルコンピュータ」が生まれる前であり、このシステムはもちろん中央のコンピュータを利用するタイプで、主な目的は教育だった。
ハッカーがこういうおもちゃを放って置くはずがなく、色々なことが行われたが、もちろんその中にはゲームもあった。"Monster Maze"(1973?)、"Pedit5"(1975)、"Orthanc"(1975)、"dnd"(1975)、などが本書には記載されている。もちろん、教育用システムの中にゲームを正式に置けるわけではなく、これらは何度も管理者によって削除されるという苦難を体験している。
PLATOとは別に、PDP-10上に"Dungeon"(1975?)というゲームが作られたらしい。ただ、PDP-10はPLATOよりもマシン性能が低く、その分制約もきつかったようだ。これとは別に"dnd"(1976)というゲームもPDP-10上で作られており(PLATO用のものとは全く別。名前が同じなのは、まあ元ネタが"D&D"だからでしょう)、なんとリアルタイムゲームだったそうだ。
その後、PLATOには"Moria"(1976)が登場している(現在、普通に遊ばれているRogue-Likeのモリアとは別のもの)。これは、初の自動生成ダンジョンタイプになる。"Oubliette"(1977)は最初のマルチオンラインCRPG。"Avatar"(1979)は当時の「決定版」とでもいうべきゲームで、開発に数年を費やしたという。
といったことが書かれている。
更に、ケヴェット・ダンカム氏(モリアのデザイナー)、ジム・シュワイガー(ウブリエットのデザイナー)、ブルース・マッグス氏(アバターのデザイナー)、という、よく集めたなと感心するインタビューも載っている。
WizardryやUltimaが1981年だから、70年代はまさに先史時代ということになる。初めて耳にする名前のゲームが大半だったが、非常に興味深い記事だった。