k-takahashi's blog

個人雑記用

人狼の勝率

多人数不完全情報ゲームの人狼においてその自然な勝率を算出した.人狼は,代表的な会話にもとづくゲームである.このため,推論機能を持つ人工知能エージェントによる,会話と信頼創出のテストベッドとして研究されている.村人の人数に対して人狼側が有利であり,ゲームが拮抗する人数は全体の平方根に従うことが明らかになっている.本研究はこれに対し,人狼がより自然な戦略を取った場合に人狼側の有利さがさらに高いことを示した.勝率を算出し示すことで,人工エージェントの能力が有意に高いことを測る具体的な基準値を示した

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=113671&item_no=1&page_id=13&block_id=8

電通大の西野順二先生の論文。

村人にとってランダムな投票は適切な行動であるが、このとき人狼が共謀して互いに投票しなかったとしても、それを検出することは事実上むずかしいことを示した。このことから、人狼は互いに投票しない行動を取るとすると、従来のモデルより、さらに大幅に勝率が上がることも分かった。
とくに人狼が2人居る場合には30人のゲームでも0.99の勝率となった。

実際の人間プレイヤーによるゲームの勝率がこれほど偏っているような気はしないけれど、AIエージェント研究のベースとするための勝率が現状はこうなっている、ということかな。