図書館とゲーム―イベントから収集へ (JLA図書館実践シリーズ)
- 作者: 井上奈智,高倉暁大,日向良和
- 出版社/メーカー: 日本図書館協会
- 発売日: 2018/11/01
- メディア: 単行本
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悪名高き江川紹子の頭痛薬パフォーマンスから20年。今やゲームは図書館活動の一部として検討され、実戦されるようになったきた。現状、アウトリーチというか人寄せ的なところが大きいのではあるけれど、もちろんゲームを図書館で扱うのにはそれなりの意味がある。その辺をまとめた一冊。
本書には様々な取り組みがリストとして掲載されている。件数的にはボードゲームが多いけれど、図書館としてはTRPG特にクトゥルフ辺りは「資料を調べる」といったところから相性が良いのだな。あとFGOは文章が多いので、図書館の立場からはやりやすいというのは気がつかなかった。
実施する場合のQA集も載っていてるし、そもそもこのシリーズ自体が「実践」なので、こういう本が出たということで今後取り組みが増えていくと期待。
後半は、ゲームを図書館で扱う意義、扱い方、ゲームアーカイブなどにも触れられている。ただ、昨今の予算状況でこれは大変そう(目先の数字のためにゲーム関係を必要以上に厚くし、地味な郷土資料がないがしろにされるといった懸念も当然ある)。
アナログゲームの場合は利用によって損耗するという課題があるし、デジタルゲームの場合はHWも必要だし、更に言えばサーバ経由で遊ぶ場合はクライアントだけあっても意味が薄れてしまう。また、随時更新されていくというSWの特性を図書館学的にはどう扱うのかという問題もあるだろう。