k-takahashi's blog

個人雑記用

ゲームシナリオを書こう

ゲームシナリオを書こう!

ゲームシナリオを書こう!

米光一成鈴木理香、笹成稀多郎、門司という第一線で活躍する講師陣がテーマ設定の仕方からキャラクター作り、実践的なシナリオ作成方法、売れるゲームにするためのマーケティングのキモ、オリジナリティーを高めるヒント、創作の注意点までを惜しみなくレクチャー。作家の体験談・制作秘話までも収め、シナリオライター志望者だけでなくゲームファンをも魅了する「書き方」の決定版。
(表紙より)

という豪華執筆陣が、一人一章(30〜40ページくら)でゲームシナリオの書き方について語っている。(上記4人に川上大典氏が全体編集と第一章を記載している)。
第一章の川上氏の部分は「シナリオとは」「企画とは」という一般的な話をある程度まとめているが、全体としては教科書的というよりは講演集という雰囲気。
それなりに名前の知られている人達なので、名前に関心があれば買ってしまってよいと思う。


実際にシナリオを書こうと思っている若者とかだと、もうちょっと教科書的なガイドブックを探した方が良いと思う。少なくとも、これ一冊で止めてしまってはだめだけれど、まあ、本書を読む人の大半はお気に入りのゲームのライターの名前を見つけてそれ目当てで買うんだろうから大丈夫か。
ヒントはたくさん書いてあります。創作する人はそういうヒント探しのネタ本に使える。


笹成稀多郎氏の「経験則に基づくゲームシナリオ概論」は、色々苦労の経験から滲み出る記述が面白い。「フラグ管理が充分でない場合のつじつま」とか「拡張を前提としたシナリオ」とか苦労したんだろうな。
門司氏はこんなことを書いている。

ほかに書けなくなる原因として、企画の根本で間違えていて、作品自体がうまくいかないような気がして書けなくなる場合もある。これは気のせいである場合と本当に企画設計に問題がある場合があるが、いずれにしろ、うまく考えれば対処できるので、冷静かつ地道に対処しよう。
(中略)
よく憶えておいてほしい。つまり、立て直せるのだから、執筆中に不安に思っても安易に企画設計をいじらないことだ。
(p.212)

とこんな感じで、業界を目指すわけではなく興味として読む人にとっては、具体的なエピソードがたくさんある。