k-takahashi's blog

個人雑記用

すばらしきパーティジョイの世界

 

すばらしきパーティジョイの世界

すばらしきパーティジョイの世界

 

 バンダイが1983年から1992年の約10年間に発行したボードゲームシリーズで、価格は1000円と安めだったのと、テーマの豊富さやバンダイ流通で入手しやすかったこともあって、かなり人気があった。

本書は、1ゲーム半ページ~2ページほとで全ゲームをカタログ的に紹介し、巻末に関係者の座談会を掲載している。

 

なんといっても、月1本以上という異常なペースと、それぞれデザインが異なる(カラバリ的な大量生産ではなくそれぞれ別ゲームになっている)ところが凄かった。

 

座談会から面白そうなところを幾つか。

小林修:当時はタカラの『人生ゲーム』がダントツで売れていましたから、それを打ち負かすことが課長からの命令でした。
(中略)
それにはゲームを1点や2点出してもダメなわけです。たくさん出さないと
(pp.113-114)

野村紹夫:海外のゲームをマネするんじゃなくて、先に「ゲームでこういうことをやりたい」という発想があって、じゃあアメリカのゲームでははどういう風にやってるのか、イギリスではどうか、と。そういう視点の研究だったんじゃないですか?
(p.117)

野村:学校や親はともかく、子ども達はホラーやオカルト物が大好きで、当時映画もテレビもそういうものが多かったでしょ。PJも最初期から後期までずーっと、定期的にオカルト物を出したんですよ。
小林:子ども調査研究所というのがあって、子どもが何に興味をもっているか、そのキーワードを知るためにバンダイはそこから毎月レポートを取っていました。子どもの好きな物が毎月ランキングされてきて、「お化け」は「忍者」はいつも上位でしたね。
(p.118)

小倉良介:なんでストーリーが先かというと、売れ行きに直結するからなんですよ。大盤とPJを作っていく中で僕らに分かったことは、ボードゲームはパッケージで売れる!これなんです。
篠田一雄:世界観というのかな。パッケージの絵を見て、「これは何するゲームだな」と子どもがすぐ分かる。怖い魔物が絵が描かれているから対決するゲームなんだな、館があるからそこで何かが起きるんだな、脱出するのかな、とすぐにわからせることが大事で
小林:箱を開けなくても、どんなゲーム化分かる。そういう絵にするために、最初にストーリー、世界観を決める。次にそのストーリーにはどんなルールが良いか、陣取りがいいのかカードで戦うのがいいのか、という順番ですね。
野村:「プレイヤーは何になるか?」も大事で、主人公は子どもなのか大人なのか、ヨシモトのゲームだったら芸人なのかマネージャーなのか。(p.120) 

 

あとはシミュレーションゲームっぽいゲームもPJにはあったのだが、

小倉:そうそう、IFシリーズ。あれの盤面とか箱のデザインが僕で、ルールを考えたのが横田さん(p.125)

 だそうで。