k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2020年1月号

 

特集は「虚数」。まず数の世界の広がりの歴史。ゼロや負の数、無理数がなかなか受け入れられなかった辺りが「虚数」に繋がることになる。
そのあと「計算上あった方が便利だから」使われるようになり、ヴェッセルやガウスが平面上の点という説明を考え出し、ガウスが「複素数」と命名する。
そのあと、物理学では虚数が当たり前に使われている(複素屈折率、双曲線軌道の公転周期、アインシュタインの四次元距離、タキオンの質量、トンネル効果の際の速度、シュレーディンガー方程式)を説明。最期はハミルトンのクォータニアンを簡単に紹介。

 

短信で面白かったのが「移植用の心臓は冷却保存しよう」という記事。心臓移植の際の心臓は冷やされて運ばれるが、「常温だったらどうなる?」という疑問に取り組んだ研究。常温保存だと「コハク酸」が蓄積し、これが移植後に活性酸素を生み出し臓器にダメージを与えることが分かった。この研究から、コハク酸を防げば移植用臓器の状態を改善できるという話に繋がる。

 

トピック記事の「誤解多き発達障害とは」も面白かった。
2000年頃の殺人事件の犯人がアスペルガーだったというのは誤診だったいうところから始まり、ASD(自閉症アスペルガー)、ADHD、LDなどがどんなものなのかを具体的に解説している。自己診断が難しいことにも触れられている。
現在では遺伝性と考えられており、似た症状を示す愛着障害などとは別。薬物療法ADHDではある程度有効で、神経伝達物質の過剰再取り込みを防ぐ薬が効くそうだ。