戦略論の名著12作について、位置づけや内容の紹介を行った一冊。一冊につき20ページ弱なので、あくまでも概論。
定番の古典(孫子、マキャベリ、クラウゼヴィッツ)、20世紀前半(マハン、毛沢東、石原莞爾、リデルハート)、あたりはよく目にするが、最近の話となる5人(ルトワック、クレフェルト、グレイ、ノックス&マーレー、ドールマン)は、あまり分かっていなかったこともあり面白かった。
ルトワックの過激な平和構築理論、クレフェルト(日本では「補給戦」が有名だが、本書では「戦争の変遷」を扱っている)の非三位一体戦争、グレイ(本書で扱っている「現代の戦略」は和訳がない)の一次的三位一体、ノックス&マーレーの「RMAは技術ではなく組織のイノベーション」論、ドールマンの古典的地政学の宇宙への適用。
あと、読んでいて、孫子・マキャベリはともかくクラウゼヴィッツの影響というか評価が色々と大事なんだなというのも感じられた。