- 作者: 川邊一外
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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映画シナリオの専門家が書いたゲームシナリオの本。
結構良いことも書いてある。例えば、
脚本とは、芸術作品である前にまず、制作上必須の「事務文書」なのです。(p.106)
(アドベンチャーゲームの選択肢の台詞があまり良くない理由について)
この場合、環境が主人公に働きかける行動選択肢、あるいは、主人公が環境に行動を返す選択肢、と考えれば、もっと骨のある構成が生まれることでしょう(p.117)
あるいは、ドラマ・ファクトリーや、創作秘伝ゲームなどと言ったトレーニング技法が、用紙(フォーマット)付きで紹介されているのも良い。
一方、所詮、映画シナリオの発想の枠から出ていないのも事実で、 FFやらドラクエやらGTAやら侍やらを分析しているが、やっぱりゲーム(遊ぶもの)という視点が足りない。なので、「街」ですらもてあまし気味になり、本来語るべき「ガンパレ」には触れてもいない。この辺が著者の限界と言えるだろう。
ゲームシナリオの話ではなく、ゲームシナリオを意識したシナリオ教室だと思えば、前半は結構使えると思う。(後半は、前半紹介するメソッドに載せる形で解説すれば良かったと思うが、あまり良い評価は与えられない。まあ、著者の前作「ゲームシナリオ作法*1」よりはかなり良くなっているとは思うが。)
*1: