k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究3月号

 「油断していた米本土防衛」(石川潤一)は、9・11テロの際に手薄だった米本土防空とその対応について解説した記事。ノーブル・イーグル作戦(ONE)というのがその中心で、ONEの発動はテロ直後の9月15日、そしてこの作戦は現在も継続中。
 民間機ハイジャックという事態に対して米空軍の準備は不充分であったが、それに対応する訓練などもONEには含まれている。石川氏の記事にはROE訓練資料も含まれているのだが、

  • シチュエーション1 ロスアンジェルスへ向け水上発射巡航ミサイルが発射された場合、CAP中のF−15がどう対処するかというシナリオ。
  • シチュエーション2 DEFCON5(平時)にロシアの爆撃機がカリフォルニアを目指して飛行してくる場合の対処。
  • シチュエーション3 フライトプランから外れ、ロスアンジェルスからニューヨークに向かってくる300人乗り旅客機(ハイジャックコード「スコーク7500」への対処。
  • シチュエーション4 メキシコ湾から無人機がテキサス州へ侵入、大統領の別荘があるクロフォードに接近した場合の対処。
  • シチュエーション5 カナダのバンクーバーを東京へ向け離陸した旅客機が、ハイジャックコードを発信した後、シアトルに向かった場合の対処。
  • シチュエーション6 ロスアンジェルスからシカゴに向かっていた旅客機がハイジャックされ、バンクーバーに向かった場合、米軍戦闘機はカナダ国境を越えて追撃すべきかどうか。

など。これが一例なのだそうだが、シビアだなあ、と。バンクーバーから東京へ向けての飛行機って乗ったことあるが、人ごとじゃ済まないですよ。


 日本の事例を紹介する記事を菊池雅之氏が書いている。上記のシビアさに比べるとまだまだ甘いが、勿論一昔前と比べれば格段に進んではいる。どう関わるかは難しく、菊池氏も変に訓練慣れしてしまうことへの警鐘を書いている。
 ところで、日本の警察にある特殊部隊SIT(Special Investigation Team)は刑事部捜査一課に所属している武装刑事集団だが、嘘か本当か判らないが、この名前はSousa Ikka Tokusyuhan の略という説もあるとか。40年以上前に話だから、本当だったのかも知れない。