ドラえもん学

ドラえもん学 (PHP新書)

　富山大学の横山泰行教授（ドラえもん文庫で知られる）によるドラえもん簡単解説。多分、想定されている読者は、例えば、自分が子供の頃はドラえもんを読んでいたけれど、最近はあまり読んでいなかった。でも、子供ができてその子がドラえもんに興味を持ち始めたお父さん・お母さん、といったところだろうか。

　マニア度はそれほど高くない*1が、ドラえもんを友情とか教育とかからしか見ない三流評論家とは違い、夢や笑い、冒険といったところに力点を置いているので、トンデモにはなっていない。色々な履歴や分類も、違和感を感じるところもあるが、網羅的に判りやすくということだろう。PHP新書というレーベルを考えると妥当だと思う。

　事実関係の情報が整理されているので、ファンならその視点の資料として、一般にどのように伝えられているかを把握する材料とするのが良いと思う。新書で簡単に買えるので、買って損はないと思います。

*1:ディープな人は

藤子不二雄論―FとAの方程式

あたりを読む方がいい。