k-takahashi's blog

個人雑記用

緊急治療・レーガン暗殺未遂

 ディスカバリーチャンネルの "Saving Ronald Reagan"(2006年製作)。


 事件直後の混乱ぶりがよく分かった。「患者は誰だ?」「Presidentです」「学長なのか?」「いえ、アメリカ合衆国の大統領です」という笑い話レベルのものはともかく、そもそもレーガン大統領が被弾したことすら最初は気づかなかった。心臓発作かと最初は疑い、次に出血があったので車に倒れ込んだときに肋骨を折ったかと疑い、しばらくして左脇腹に銃痕を発見する。
 レントゲンを撮ってみると、確かに銃弾が残っているが、破片が他にあるのかどうかが判らない。シークレットサービスがFBIに弾丸の種類を種類を尋ねるが、最初は「教えられません」。しばらくして「38口径」と聞き出すが実はこれが間違い情報(実際には22口径)で、「他にも破片があるかも」としばらく探し回る羽目になった。
 出血が激しいため医師は切開による弾丸摘出を決意。そこから手術室に運ばれて麻酔をかけられる間にレーガンが口にしたのが有名な「ハニー、避け損ねたよ("Honey, I forgot to duck.")」と「あなたたちは共和党員かね("I hope you're all Republicans.")」。ちなみに、執刀担当のアーロン外科医はバリバリの民主党員だったとか。


 現場でも何が起こっているかこの混乱だったのだが、ホワイトハウスも混乱していた。ブッシュ副大統領は不在で、体制をどうしようかと議論が続く。当然メディア向けに色々と発表をしなくてはならないのだが、首席報道官ブレディは同じ事件で撃たれており、混乱状況のまま次席報道官が対応する羽目になる。情報不足で準備不充分のまま不慣れな人間が行った対応は、混乱に拍車をかけることになってしまった。


 銃弾は1時間後にようやく発見され、摘出された。予後も順調でその後はよく知られるとおり。


 25年たち、当時の医師達が、当時のレーガンの年齢に近づいているわけだが、その医師が「レーガンは凄かったね」と自分を思いながら語るシーンがあった。大変な手術だったということがよく分かるシーンだった。