k-takahashi's blog

個人雑記用

ナイトウォッチ

 2004年のロシア映画。当時かなり話題になったので知名度は高いと思う。
 この世界には普通の人の他に、光の勢力と闇の勢力があり、彼らは激戦の末協約を結ぶに至った。そして、闇の勢力を見張る光の戦士をナイト・ウォッチ、光の勢力を見張る闇の戦士をデイ・ウォッチと呼ぶ。彼らは協約に従い均衡を保っていたが、それが崩れる可能性が出てきた。特別な異種が闇の勢力を選ぶという予言があったのだ。そして、その予言に語られた状況が次々に起こってくる。


 どちらも、いわゆるヴァンパイアなんですよ。冒頭に1000年前のものと思われる戦闘シーンがあり、ここで両勢力は戦い続けたら双方全滅だからということで協約に合意する。次に12年前(1992年)のモスクワに舞台が移り、逃げた恋人を取り戻そうとする若者が、協約違反の呪術に頼ろうとするシーンになる。この時点でこの若者はまだ自分が異種であることに気づいていなかったが、この件をきっかけに自分が異種であることに気づいてしまう。覚醒した異種は光か闇かを選ばなくてはならず、彼は光の側を選ぶ。
その次のシーンが現代で、ナイト・ウォッチとなっている主人公が協約違反の捜査を行うところから。ここからがメインストーリーになる。


 一昔前に言っていた「ロシア映画」のイメージとはだいぶ異なり、相当程度ハリウッドスタイルを取り込んでいる。とは言え、たんなる物まねには留まっておらず、モスクワの情景を取り込みつつも、現在の娯楽映画の基準で上中下で分ければ「上」に入るくらいの腕前はもう持っていると思う。
映像としては、やたらと出てくる鳥(烏なのかな?)が不気味な雰囲気を出していたのと、微妙に安っぽく作られたゲーム画面(闇の勢力のトップがこれで遊んでいるシーンが何度か出てくる)が伏線としては露骨ながらも効果としては面白かった。


 協約の内用がはっきりしないまま、予言が半ば成就した状況まで話が進んだところで本作は終了。続編があるそうなので、そちらで続きを語ると言うことなのだろう。


 ヴァンパイアなので鏡に映るのだが、そこをうまく生かして、姿が消えたり現れたりする様子を表現している戦闘シーンがあった。割れた鏡を頬に押しつけて棒を振り回すのだが、半ば滑稽になりながらも血しぶきが絶えない場面はなかなか怖い雰囲気が出ていた。