- 作者: 池田清彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1992/11/01
- メディア: 単行本
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なんでこんな本に手を出したのかというと、オブジェクト指向の本を読んでいてそこで推薦されていたから。その視点からだと、当然クラス設計をどうするべきかという観点になるわけです。で、クラスがアプリオリに存在するのではなく、構造が存在するのであってそれに合わせて分類(クラス設計)せよ、ということになるわけで、まあそれはそうかな、と。 あとは、分類(クラス)は設計者がきちんと意図を持って(それがおそらく「構造を見つける」こと)作りなさい、と。
一方で、本書の本来の意図である生物学における分類学の解説はよく分からず。たぶん私が、クラスの継承という見方を強く持ちすぎて読んだからだろう。オブジェクト指向でいうところの継承が、生物の進化で維持されるという保証はないのだけれど、何しろ動機が動機なのでどうしてもそういう読み方をしてしまう。
もう一つは、自然分類とかナイーブな感覚とかの使い方がちょっと荒っぽいかなという印象を持ったこと。たぶん、大進化は構造によって導かれるとかそういうロジックだと思うのだけれど、その辺の流れは追い切れず。まあ、15年前の本だから、理解したければもっと新しい本を探せばよいのだろう。
構造生物学が生物学として適切かどうかはよく分からなかったが、クラス設計については、なにせクラスは進化しないし、継承も断続的にしか起こらないから、背後にある構造を意識しながら作れ、という方針でたぶんよいのだと思う。(たぶん、生物学の最大の頭痛の種(メシの種)は進化なんだろう、と本書を読んで思った。)