- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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紹介されている考具は21種類。カラーバス、マンダラート、マインドマップ、オズボーンのチェックリスト、といったアイディア出しの道具もあるし、聞き耳、臨時新聞記者、問いかけ、といった心得に近いもの、タイトル、ビジュアライズ、5W1Hといったまとめ技法など、様々。こういうものの常として、全部やる必要はなく、自分に使えそうなものから使い始めればよいはず。
私は、マンダラートが面白そうだと思った。3×3のマス目を作り、中央に課題を置く、そして周囲の8セルととにかく埋めるというもの。必要ならば8セルの一つを次の課題として次のマンダラートを作っていく。これは使っていきたい。
この手の本でインチキに近いものだと「これさえあれば!」となるものが多い。では、本書はどうかというと、
最初にやっておくべき作業があります。情報がドンドン集まってくるためのコツです。
今、あなたが集めたい情報とは何でしょうか?
何を解決しなければならないのでしょうか?
まずは、それを頭にしっかり刻んでください。(pp.42-43)
その次に考具を使えとなっている。そして後書き
そして、ここまでこの本を読み進めてくれたあたなにとっての最大の問題は、「読んで、分かって、やらないこと」。(p.233)
既に本書は第25刷(2007年4月時点)になっている。まあ、そういうことだ。
個人的に本書の一番良い点というのは、「アイディア」と「企画」を分離して扱っているところだと思う。とにかく色々なことを思いつくところから始めるのが重要なのだが、得てして「役に立たないことを考えても……」となってしまいがち。しかし、本書は
- アイディアに完璧さは不要、実現性は不要、自分にとって新しければそれでよい。
- 実現性があるのが企画。企画は新しいアイディアばかりで構成する必要はない。
と明記しており、それによりアイディア出しの敷居を下げている。ここはうまいと思った。
ところで、本書で私が一番凄いと思ったのは、折り込みチラシ。このチラシには、
立ち読みしてくれたアナタ、ありがとう。どうせならここを立ち読みしてから、この本をレジに連れて行ってくれるかどうかを、ぜひ決めてください!
と書いてあり、○○な人は△△ページを、というお薦めが数行書かれている。
この企画も、本書の手続きから生まれたのだろうな。