k-takahashi's blog

個人雑記用

SFマガジン 2007年7月号

 ワールドコン特集の第1回。ヒューゴー賞候補作のうち、ノヴェレット部門(7500語〜17500語)の2作、ショートストーリー部門(〜7500語)の3作の翻訳が掲載されている。


 ノヴェレット部門は、自殺的な行為を繰り返す男達の接点がある星での戦闘であると知った宇宙軍の男の調査行を描いた「きみのすべてを」(マイク・レズニック)、乗客1000人を乗せたフェリーが霧の中に姿を消した事件をルポ形式で描いた「夜明け、夕焼け、大地の色」(マイクル・F・フリン)の2作。こういうのは好みだよな、ということで「夜明け」をとりあえず暫定投票候補に選定。


 ショートストーリー部門は、カルトSFドラマの制作者の謎を求める「八つのエピソード」(ロバート・リード)、凄腕の殺し屋エイリアンと12歳の少年の交流を描いた「同類」(ブルース・マカリスター)、似て非なるパラレルワールドからやってきたレンタルDVDショップで奇妙な映画を見つけたしまった男の話「見果てぬ夢」(ティム・プラット)の3作。これも好みで「見果てぬ夢」を暫定候補に。昔、友人達と「昭和が終わるとともに○本薫が急逝してしまい、グィンが未完の名作となっている世界に最近のグィンを持ち込んだら、という馬鹿話をしたことを思い出してしまった。


 巷で話題の「ゼロ年代の想像力」は、引きこもり系からサバイブ感への流れを見落としているのではないかというのが大筋かな。詳細は次回以降ということ。
 連載の谷甲州と朝松健を続けて読むと、これがSF雑誌なのか伝奇小説雑誌なのかと迷ってくる気分。