付録ゲームは「謀略級三国志」。勝利条件を隠したままで、各種勢力を操って自分の勝利条件を満たすことを目指すタイプのゲーム。これを三国志にもってきたのは、なるほどという感じだが、これは読んだだけだとよく分からないな。
前号から引き継いだ柿崎唯氏の「SquadLeaderの光と影」は大体予想通りの内容。「一度最新のルールを憶えてしまうと、途中の段階に頭を戻すのは無理」というのは確かに言える。そして、制作サイドの人間はほとんどが最新ルールを憶えた人達なので、途中の段階に合わせた情報は追加提供されないことになる。
討論会記事「そこまで言ってインカ帝国」は、細かい内容について、参加者各人が意見を簡単に述べる内容。多分、反響の大きかったテーマをあとで掘り下げようという意図なのだろう。内容は、
- 演繹的シミュレーション、帰納的シミュレーション、どちらを支持しますか?
- 自分をウォーゲーム原理主義者だと思いますか?
- 初心者向けミニゲームに賛成ですか?反対ですか?
- マイナーテーマに賛成ですか、反対ですか?
- ウォーゲームにキャラクター性は必要ですか?
- 良いウォーゲームとは何ですか?
の6個。いずれも絡み合っている内容なのだが、踏み込む記事ならキャラクター性と初心者向けの組み合わせやってほしいかな。
ちなみに、前号の「帰納/演繹」にはやはり混乱があったようで、今号では定義が書かれている。
- 演繹的シミュレーション:データやカタログスペック、あるいは物理的法則が先ずあって、その通りにゲームを作っていけば正しい結果が出るだろうというもの
- 帰納的シミュレーション:まず史実の結果があって、史実の結果に合うようにシステムやファクターを作るやり方。
これと、錯誤や戦場の霧などとが前号は混ざっていて、私も混乱した感想を書いていたと思う。ただ、演繹法には史実とかけ離れる危険が、帰納法には俗説をなぞるだけになってしまう危険が、それぞれあるという意見は変わらない。
「信長最大の危機」のプレイ解説記事は、読みかけて中止。これは、課題を読んで自分で考えてから読んだ方が良さそうな記事だ。