k-takahashi's blog

個人雑記用

ゲームになった映画たち

 ちょこちょこ読み進めていた本を読了。

「ゲーム」は、その誕生の時から「映画」と密接な関係にあった。当然のように作られた「映画を原作にしたゲーム」は、世界的にひとつのジャンルとして評価されてきたのだが、日本では単なる「タイアップもの」として捉えられ、大きく取り上げられることはほとんどなかった。しかし、技術の進歩や、人材のクロスオーバー化を経て、いま映画とゲームの融合は、新たなる局面を迎えている。本書は「ゲームになった映画」の歴史をひもとき、豊富な図版とデータ、そして細かいムダ知識、さらに映画界・ゲーム界の著名人のコメント満載で送る世界初の「シネマゲーム」研究本である! (背表紙より)

 正直言いますと、読む前は大した本ではないだろうと思っていました。映画原作ゲームをだしにして映画リストを紹介している程度でないかと思っていたのです。が、その予想は良い方向に裏切られました。かなりしっかりゲームのことを語っています。
分類軸は映画ベースです(監督別、俳優別、ジャンル別)が、全ページカラーで、しかも画面は基本的にゲーム側のものになっています。どんなゲームになっており、難易度がどのくらいかであるとか、遊んでいて楽しいかどうかとか、豊富で驚きました。


 ムダ知識系のコラムも多いですが、一方で、監督、俳優などへのインタビューも意外に多く収録されています。予想通り、小島秀夫氏のインタビューも掲載されており、ゲームの演出技法を映画のシーンから説明するのだけど、上手く伝わらないことがあるなどといった苦労話も収録されています。


 映画原作ゲームが映画のサイドストーリーを語るためのメディアとして認識されていること、映画の10分の1、20分の1の予算でゲームが作れてしまう(ハリウッドの場合)こと、アメリカではゲームと映画が隣に並べられてレンタルされていることなど、日本とは異なる視点から映画ゲームが作られていることが分かる。
 一方邦画界はというと例によって立ち後れ。事情はよく分からないが、ゲーム界と邦画界との間に相互不信の構図があるそうだ。何なんだろう。


 本当に世界初かどうかは知りませんが、意外と拾いものの一冊でした。タイトルから興味を感じたなら買って損はないと思います。
一つ追加して希望をいうならば、ゲーム側の発展軸(ハード、表現技法、方法論、ビジネス論)に合わせた解説があると嬉しかった。全面書き換えになるから、本書にそうなれと言っているのではなく、この内容をゲーム軸で整理した本が別に欲しい、ということ。


 そうそう、最初にゲーム化された映像作品はスタートレックだと思いますよ。

当ゲームは1971年(72年とする資料もあるが、Wikipedia英語版には71年の資料がある)にマイク・メイフィールド(Mike Mayfield)により、SDS(後のゼロックス)社のミニコンピュータ、Sigma7に搭載されていたBASIC言語で書かれたのが始まりとされている。これがヒューレット・パッカード社のBASICソフトウェアライブラリにも加えられ、後のプログラム言語にはFORTRANも使われた。

スタートレック (マイコンゲーム) - Wikipedia

まあ、これは例外的ですけど。