- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/25
- メディア: 雑誌
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雪風の意識にいちばん身近な深井零の視点での三人称形式によって、「雪風の意識」の代弁をさせようということで雑誌連載版の「アンブロークンアロー」を書き始めた。それを書いていくうちに、その内容から、この零は、雪風によって意識対象を強制的に志向させられているのだ、と思えるようになってきた。僕自身がそれを書いている中で、それを「発見した」と言ってもいい。そこで、今まで書いてきた一人称による群像全体を俯瞰してみると、こいつは雪風による人間意識の探査であってもおかしくない、とそれも「発見」した。当初はそんな思惑はなかったわけで、この部分については叙述トリックのように見えても実際にはそうではなくて、この、まさにジャムによってトリックを仕掛けられているような物語の謎を、書き手の自分が自力で解いたらああなった、という感覚です。(pp.12-13)
連載で一通り読んでいたはずなんだが、通しで読むべきかな。最初の雪風から読むべきかどうか、というのは記事中にもあったが色々と微妙だ。
小特集はロシアSF。私の好みの作風ではないのだけれど、こういうのが書かれているのかと知るのは面白い。正直なところ、スプロールごときを何度も何度もやるくらいなら、もうちょっといろいろなところを紹介して欲しい。(いや、訳者の問題があるというのは分かりますが)