- 作者: 中野晴生
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: 単行本
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一度だけ伊勢神宮に観光に行ったことがあり、もう10年以上前の話。閑静な良いところだなという感想も持ったが、それ以上に「ここって、皇族の人達がよく写っている河原だ」とかミーハーに見て回っただけでした。
本書は、外宮・内宮の地図と見所紹介、歴史、行事カレンダー、など一通りの情報が綺麗な写真とともに解説されており、参拝前に読んでおくと非常に役に立つと思う。お参りの仕方もきちんと解説してあり、伊勢神宮に対象を絞った観光ガイドにもなっている。
知識としても色々面白いことが書いてあり、例えば天照大神が伊勢の地を選んだ理由。
この神風の伊勢の国は、常世の波の重波の帰する国なり。傍国の可怜し(うまし)国なり。是の国に居らむと欲す
だそうで、「可怜し(うまし)」は、美しいと美味しいの両方の意味を持つ。後に、雄略天皇の時代に、穀物神である豊受大御神を料理人として招聘しているところからも、「美味しい」の意味が強いことを伺わせるのだそうだ。
そんなことなら、もっと色々食べておけば良かった。
以前に行ったときには、「神宮農業館」という博物館が面白かったのを憶えている。主に農産物に関連した資料を集めているのだが、明治時代の稲の標本とか、江戸時代にさかのぼっての米の価格表とか、あまり見られないものがたくさん展示してあった。
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