k-takahashi's blog

個人雑記用

東大博士が語る理系という生き方

30代前後の若手研究者に、研究とは、というテーマで書いてもらったエッセイをまとめた一冊。
高校生・大学生あたりが想定読者層で、研究ってどういうことか、何が面白いのか、などが書かれている。大学に残るだけでなく、企業に就職するパターンや、一旦就職した後で大学に戻るパターンなども含まれている。

 インタビューをするとよく「説明責任」という話が出ますけど、研究費の使い道や有効性を知りたいと思っているのは役所の人たちでしょう。こっちが説明してほしいのは、そうしたお役所的な答弁じゃない。あなたの研究の何処が面白いのかということで、必ずしも「役にたつのか」ということではありません。だって、研究がすぐには役に立たないことなんて、実はみんなわかっているんだから。自然科学者にとって本当に必要なのは、面白さの説明責任なんです。(p.29)

ということで、「面白さの説明」が色々と書かれています。


 東大のシステムや東大のメリットとかも随所に書かれていますので、子供を東大に入れたいと思っている御両親の方々は、子供が高校生になったら本書を読ませるのもいいかも。
もっとも、東大なんてタイトルに入れた理由は、

 どうしてわざわざ「東大」や「博士」なんて限定するの? 僕は東大に入りたいわけじゃない。私は博士号までは目指していないのに。そう思われるかもしれません。ごめんなさい、大人の社会では「東大」とついていると本の出版企画が通りやすいという事情があるのです。(p.3)

なんだそうです。


 巻頭の対談を別にすると、30前後の研究者が8名。堀部直人、鮎川慧、安藤康伸、鞍馬彰義、木矢剛智、内山和也、河村大輔、古谷美央、の各氏。