k-takahashi's blog

個人雑記用

基本単位としてのバナナ

ものを測るというのは非常に難しく奥深いものだが、測った結果をどう表現するかというのも奥深い話だ。数年前に流れたジョークに

国際標準化機構(ISO)によって、人間の痛みの感じ方についての統一単位「ハナゲ」(hanage)が制定され、「長さ1センチの鼻毛を鉛直方向に1ニュートンの力で引っ張り、抜いたときに感じる痛み」が「1ハナゲ」と定義された

痛みの基準はハナゲ - Wikipedia

というのがあったし、真面目な話だと辛さを表すスコヴィルという単位がある。


さて、最近話題の放射線量だが、これを

0.1 マイクロシーベルトは概ねバナナ1本を食べることによる被ばく量と同等である。そこで基本的単位としてバナナを使う。

2011-10-18 - 食品安全情報blog

とバナナを使って表現することができる。歯のX線写真を撮ると50バナナとかなるそうだ。


この記事自体はもちろんジョークに近いものだが、結局のところ、「定量的に考えろ」ということに落ち着くのだと思う。有名なDHMOのジョークも量を意図的に無視しているところが大きなポイントなのだ。そして量ならば大小を比較することができる。同じものの内分かりやすいもので考えることができる。

胸部CTスキャン一回は広島の原子力爆弾の爆心地から1マイルちょっとのところにいるのと同じで7万本のバナナを食べることと同じである

2011-10-18 - 食品安全情報blog

7万本のバナナを食べたらどうなるかを想像することは難しいし、爆心地から1マイルのところにいることもなかなかピンとこないが、CTスキャンなら想像することができる。こういう比較ができることが「数値化」の大きなメリットなのだ。
(むやみにCTスキャンを受けるものではないが、少々スキャンを受けたからと言って死んだりはしない、ということは分かるわけだ)