k-takahashi's blog

個人雑記用

銃の科学 〜教養としての銃知識

国際人を「外国の文化やものの考え方を理解できる人」とするなら、国際人は銃についてある程度の知識を持たなければならないでしょう。多くの国では家に銃があるのが当たり前なのですから。
(はじめに より)

という、ちょっと大げさな意図から銃を解説する本。
銃とは何か? 銃と砲の違いは? というところから、歴史、弾薬、拳銃とサブマシンガン、ライフル、機関銃、散弾銃ときて、弾道の解説や銃床の解説まで広く網羅している。
引用部のような意図があるためか、狩猟に関連した記載が多めになっている。


弾丸の種類や圧力、火薬の性質などを解説しているので、なぜ指定した以外の弾薬を使うと危険かというのもすんなりと納得できる。(重い弾丸には燃焼速度の遅い火薬を使わないと圧が上がりすぎるから。同じ理屈で砲の火薬についても理解できる。)
全ページカラーなので、イラストやグラフが分かりやすいのも長所。


著者が実際に銃を使っているせいもあるだろうか、具体的な記述に面白いものが多い。

リボルバーはバッグやポケットの中からでもいきなり撃てますが、オートマチックでそれをやったら2発目は正常に撃てないでしょう。(p.120)

(レバーアクション銃について)
急斜面を「片手に銃を持ち、もう片方では斜面の草や木の根を掴んでよじ登る」ような山で行動するには最適なのです。(p.136)

一つの目安として、「その動物の体重に『キログラムフォース・メートル(kgf・m)』を付けた運動エネルギーが、その動物を倒すのに必要な標準的なエネルギーである、と考えています。(p.172)

高級な銃は、たしかに使用感が違います。銃を折るとき、開閉レバーを押してやると「ガシャ」などという音は立てません。銃身の重さで「スーッ」と開きます。閉じるときも「ガチャ」などとはいいません。「パチン」といって閉じます。(p.199)


マニアが読む本では無いと思うが、分かりやすいので「ちょっと興味を持った」というような人にお奨め