k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2012年02月号

軍事研究 2012年 02月号 [雑誌]

軍事研究 2012年 02月号 [雑誌]

ようやくきまったF-35の記事が幾つか。


巻頭カラーページにSMSS(Squad Mission Support System)の写真。現在、アフガンなどで実環境試験中の無人車両。遠隔操作、音声コマンド、自立走行などを組み合わせて分隊に付き従う移動車両のようだ。YouTubeに動画があった。


『軍事用超電磁砲の原理と実態』(野木恵一)には、「使えるのか!?『とある科学のレイルガン』」などというタイトルが付いている。こういうのって作者がつけるのか編集がつけるのか、どっちなんだろう。
レールガンの理論と歴史(理屈は簡単だが、実用化は難しかった)の概要解説。アメリ海軍はレールガンのメリットの一つを「爆発物が艦艇から一掃されること」をあげているそうだ。(p.64)


『ハイブリッドガン/コンビネーションガン』(三鷹聡)は、砲とミサイルの複合兵器の解説。
以前はゲテモノ扱いされており、実際失敗の繰り返しだった複合兵器だが、MP3や2S6ツングースカなど意外と実用になるかも、という状況にあるそうだ。
ちなみに著者は、ハイブリッドガンを一つの装置で砲とミサイル発射機を兼ねるもの、コンビネーションガンを複数の発射体を組み合わせたものとしている。
著者は、

ハイブリッドガン/コンビネーションガンが市場に受け入れられるのは、多砲塔戦車が大恐慌の予算不足で中止になってしまったのとは反対に、予算不足から単体に多機能を求めるニーズが高まったからではないだろうか。(p.89)

としているが、確かにどこにコストがかかるかと考えると一理あるかも。


『DEW指向性エネルギー兵器の基礎知識(第1回)』(井上孝司)は、レーザー武器の原理解説。基本的な解説記事だが、一つ知らなかった話があり、

海中の機雷を探知する使い方がある。これは青緑色レーザーが水中に透過する原理を利用したもので、ヘリコプターに搭載した青緑色レーザー発振機からレーザー光を海中に照射することで海中の機雷を探知しようというものだ(p.109)

なるほど、水中用に使えるわけか。


中央カラーページでは、10式戦車の試作型が4両並んだ写真が面白かった。
試験項目の違いというのもあるんだろうけど、細かいところが結構違う。


『防衛技術シンポジウム2011レポート』(阿部琢磨)は、11月に開催されたシンポジウムのレポート記事。技本だけではなく色々な発表があったようで、福島に投入されたロボットや、海上向け新研究(アジマス推進、GFRP船体、X舵潜水艦)、LCVファミリーなど。
防衛医科大病院に、サイバーダインのHALがリハビリ用に試験導入されているのは知らなかった。


斎木伸生氏は、ラトビアの国防政策についての記事を掲載。
ラトビアは第二次大戦後のソ連の政策により大量追放・大量移住が実施され、既に首都リガではラトビア人よりもロシア人の方が多い状態。これで、主に対ロシアをにらんだ国防など成り立つのだろうかと不思議に思う。
そこで、ラトビアがとったのが、「とにかくNATOだ」という方針。そして、NATOの行動に参加し、NATOの活動を支援し、NATOの意志決定に加わるという徹底的にこだわっている。
バルト三国とか、北欧諸国とか、本当にこういうところは感心する。