k-takahashi's blog

個人雑記用

数理的予測モデル

シルバーは今回も彼の作った数理的予測モデルが古臭い専門家の勘や生半可な統計に基づく推測より圧倒的に優れていたことを証明した

大統領選でニューヨークタイムズのネイト・シルバーの数理モデル予測が全50州で的中―政治専門家はもはや不要? | TechCrunch Japan

今回の米大統領選挙の結果予測について、数理モデルが優秀な成績を収めたという記事。
なんか、色々煽っている記事だけれど、はてブを見ると心理歴史学や「その数学が戦略を決める」*1を連想する人が結構いて、私もその一人。

ブドウを収穫した時点でワインの美味さはどうなるか予測し、政策がうまくいくかどうか判定し、症状から罹患している病気を診断し、映画の脚本から興行収入を推定する。

その数学が戦略を決める - k-takahashi’s 雑記

これが、専門家よりも数理モデルの方が精度が高いということを示した本だが、今回も似たような結果だったということになる。


そして、あの本と同じような方法論で解析された結果だとすれば、その効果や限界も同じようなはず。だとすると、この分析には、

ポイントは、予測が外れる確率(ダメだと思っていた脚本が大当たりする確率)も求まるところにある。

その数学が戦略を決める - k-takahashi’s 雑記

ということも含まれているはず。予測精度が低いところを集中的に攻略することで、結果をひっくり返す可能性だって検討できるはずなのだ。だから、選挙参謀みたいな人が不要になるわけでも、選挙がいらなくなるわけでもない。
専門家にしたところで、吉崎達彦氏もほぼ正確に結果を当てているわけだし。


一方、精度の高い予測が可能であることが知られた後で人が行動をどう変えるかというのは、まだデータが少ないわけで、数理分析の人の仕事もまだまだ続く。

*1:

その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める