人工知能学会誌の7月号をパラパラと。2つの特集のうちの一つが「仕掛学」。色々ありますねえ。
とりあえず、シグニファイアとかゲーミフィケーションとかの文脈で捉えればいいのかな、というのが感想。わざわざ「学」を立てる必要があるのかどうかは正直疑問。
事例集として面白かったのが、近畿大の山根承子先生の『ナッジする仕掛け』。
リバタリアン・パターナリズムを「良い選択をするためのナッジ」と位置づけているのだが、実例が色々。
SMarT、スティックドットコム、CARES、といったお金をうまく貯めさせるメカニズム。
物理的トリガー(Feedback, Feedforward)と心理的トリガー(Motivation, Social Effect)。
目のポスターを自販機に貼ったら、不正が減った事例。
など。
笑ったのが、カフェの無料WiFiの話。
長時間居座られては困るのだが、あしざまに扱うのもよろしくない。一定時間で接続を切るという方法もある(これが、パターナリズム的解決)が、微妙な案配ができない。
で、オランダのカフェがやったのが、WiFiのAPの名前を"BuyaLargeLatterGetBrowninForFree"とか"HaveYouTriedCoffeeCake?"とかに変えるというもの。(どの程度効果があったのかは書かれていなかった。)
あとは、インドの事例。
交通事故が多くスピードを落として欲しい場所がある。標識を立てたが効果が無い。さてどうしたか?
なんと、この場所に神社を作ったのだそうだ。そうしたところ多くのドライバーが、これで実際にスピードを落としたとのこと。色々な方法があるものだ。