数学ガールの誕生 理想の数学対話を求めて (数学ガールシリーズ)
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2013/09/14
- メディア: 単行本
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結城「今月『数学ガールの誕生』が発売!」
結城浩 on Twitter: "結城「今月『数学ガールの誕生』が発売!」 家内「それは感謝ですけど…その書名で『講演集』ってわかるのかしら」 結城「え…」 家内「『数学文章作法』もそうよ。あの本、数学に限った話じゃないでしょ?」 結城「え…あ…でも」 家内「『名前重要』じゃなかったの?」 結城「はい…」"
家内「それは感謝ですけど…その書名で『講演集』ってわかるのかしら」
結城「え…」
家内「『数学文章作法』もそうよ。あの本、数学に限った話じゃないでしょ?」
結城「え…あ…でも」
家内「『名前重要』じゃなかったの?」
結城「はい…」
という漫才のようなエピソードもあったそうですが、数学ガールがどのように生まれ、結城先生がどういう方針で数学ガールを書いているのか、ということを中心にした講演録。
さらに、本を書くとはどういうことか、編集者の役割とは、ウェブをどう使うか、といった話にも繋がっている。
書かなかったもの、についての記載も興味深い。「中国剰余定理」「アキレスと亀」が出てこない理由、小説部分に携帯電話が出てこない理由、「パソコン」という言葉を使わない理由、全部きちんと説明されている。
ガロアのエピソードの紹介の仕方のについても
ガロアの本を書くとなると、普通は「ガロアの決闘」とか「ガロアの恋愛沙汰」にフォーカスを合わせます。そのほうがおもしろいと考えるから。数学はつまらないと考えるから。
でも。
私は違う、と思いました。
私は、ガロアが「明日死ぬかもしれない」と知りつつ直していた論文の方が重要じゃないかと思ったんです。
(p.118)
なお、「物理ガール」を書いていない理由については、
物理や化学は自然科学ですから、実際の世界をどう扱うかが物語でのキモになると思いました。
(中略)
「物理ガール」を書く人はぜひ「実験」をうまく描いて欲しいと期待します。(p.238)
としており、納得。
なお、これに続けて
「数学ガール」という物語のリアリティはどこにあるかというと、本の中で語られているのは、難易度はどうあれ「本物の数学」であるというところです。
(p.238)
としており、これが数学の魅力でもあるんだな、と。