k-takahashi's blog

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ゲームジャーナル 50号

ゲームジャーナル50号 フリードリヒ最大の危機

ゲームジャーナル50号 フリードリヒ最大の危機

付録ゲームは『フリードリッヒ最大の危機』。7年戦争を『信長最大の危機』のシステムで扱っている。ゲーム上の勝敗は、「エリザベータ死去」のイベントに依るところが大きくなっているように見えるけれど、プロシアがいつまで保つか、というサスペンスという点で正しいルールだろう。


さて、このシステムは、チット引きで動ける部隊が決まりしかも「終了」チットが出るとターン終了というものである。なので、同じ国が何度も連続して行動したり、ある国がしばらくまったく動けなかったり、ということが起こる。GJ35号の『A Victory Denied』では、グデーリアンに特別ルールを設定して、割り込みができるようになっている。7年戦争でもフリードリヒは奇跡的な僥倖に恵まれて死地を脱している。それでは、本作でもそういったルールを採用するべきだろうか?
この問いに対する中村氏の回答は以下の通り。

グデーリアンマンシュタインは「奇跡」を起こす存在ではなく、それゆえ「グデーリアンチット」や「マンシュタインチット」は「奇跡」ではなく、「必然」を再現するシステムであると考えます。
ところがフリードリヒに「確実性」を与えることは、薄氷を踏むような状況の連続だった史実のプレーヤーの心境を再現できず、その結果「奇跡」を再現することもできません。
筆者は、「奇跡」は起きるかどうかが分からないからこそ「奇跡」なのだろうと思います。
それゆえ、「確実性」を与えてしまったら、その瞬間「奇跡」は「奇跡」でなくなってしまう、というのが筆者の考えです。
(p.35)