k-takahashi's blog

個人雑記用

相変わらず血液型差別を続ける週刊誌

「代表選手一覧を見たとき『ザッケローニ監督は血液型のことを調べてメンバーを選考したのでは?』と思いました」と語るのは、社団法人ヒューマンサイエンスABOセンターの市川千枝子代表理事。血液と気質に関する学問『血液型人間学』に詳しい市川さんによると、サッカー日本代表のメンバー23人には“ある偏り”が見られるという。
 選手たちを血液型で分類した際、最も多いのはA型の9人で全体の39%を占める。次がO型の8人で34%、B型とAB型はそれぞれ3人で13%にとどまる。だが日本人の血液型比率は、A型38%、O型31%、B型22%、AB型9%だという。つまり、代表にはB型の選手が極端に少ないのだ。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140612-00010002-jisin-ent

計算してみよう。
観測度数:9, 8, 3, 3
期待度数:8.7, 7.1, 5.1, 2.1
χ二乗 =(9-8.7)^2/8.7 + (8-7.1)^2/7.1 + (3-5.1)^2/5.1 + (3-2.1)^2/2.1 = 1.37


自由度3(4分類で、3つの数字を決めればあと一つは自動的に決まる)の有意水準5%の値は、
http://www.koka.ac.jp/morigiwa/sjs/chi-square_distribution.htm
より7.81。


1.37 < 7.81 だから、「有意水準5%で、有意差はない」。


というか、「平均だと23人中5人になるけれど3人」なんて、直観的に考えたって「極端に少ない」とは思わないだろう。


つい最近、京都文教大学の縄田健悟先生が「血液型と性格の無関連性」という論文を発表している。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/advpub/0/advpub_85.13016/_pdf
これは、小さな違いでも検出できるように大量のデータを用いた研究だが、結論は

本研究の知見は,血液型と性格の無関連性を積極的に示す実証的根拠を提供した。血液型と性格は無関連である。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/advpub/0/advpub_85.13016/_pdf

というもの。


でこの市川千枝子ってのが言っているのがデタラメなわけだが、「血液型」でニュースをググったら頭痛が……