k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2015年4月号

軍事研究 2015年 04 月号 [雑誌]

軍事研究 2015年 04 月号 [雑誌]

イスラム国』残忍!狂暴!を誇示(阿部拓磨)

記事内容もそうだが、写真がかなりきついものが混ざっているので読む方は注意。
ISISのスポークスマンとなったジョン・キャントリーの発信記事についての細かい紹介は興味深い。
ISISを擁護する連中には、この記事を突きつけて感想を求めると良いと思う。

F-22A「イスラム国」爆撃(青木謙知)

米国の爆撃作戦にF-22Aが初の実戦投入となった。
通常米軍は航空作戦の準備を6か月前から始めるそうで(調査から)、今回もそうとう前から準備はしていたようだ。記事によれば訓練の本格化は7月あたりだったらしい。
約2000キロを飛行し、離陸時間がずれ、イラク上空で管制に混乱があった、にもかかわらず予定通り(計画とのズレは5秒)に爆撃を実施、その後計3回の空中給油を受け、B-1Bの再爆撃の護衛任務もこなし帰還したとのこと。
空戦能力を披露する機会はなかったようだが、スピードだけでもかなり有用なんだと分かる。

アメリカ空軍重爆撃機トリオの現状・将来(石川潤一)

米国の大型爆撃機3機種の用兵についての3回シリーズ記事の第1回で、B-1B。B-1Bは現在63機。
B-1BにはMk82を84発搭載でき初陣の湾岸戦争の頃はそれが使われていたが、最近はほぼ全部JDAMらしい。
この搭載兵器の拡充で重要なのが、SDB(250ポンド級)誘導爆弾で、これを最大144発搭載できるようにするための改造が2017年度から始まる。また、LRASM(長射程対艦ミサイル)も搭載予定(最大24発)で、これは射程800キロ。対中国の点ではこちらが重要。

イスラム国の豪華な近代兵器(竹内修)

いかにしてどのような近代兵器を保有するに至り、どのように運用しているかの事例(p.63)

の解説記事。
スカッドが使われていないこと(使えないのか、化学兵器の入手待ちなのかは不明)、戦闘機についてはおそらく実戦運用はできないこと、地対空兵器(ZU-23、SA-7)などはやっかい、といったところ。
イラク軍からISISに流れた中にM1A1があり、宣伝用には有用だが、運用は困難らしい。
やはり問題は化学兵器となる。


経済制裁原油価格下落/軍事圧力(小泉悠)

ロシア問題の解説記事。今月は、ロシア経済、欧州正面戦力、米ロ間戦力、の3つの視点からの解説。
クリミアやカリーニングラードの軍事力増強やINF条約違反疑惑など、かなり深刻。
特に核戦力については、ロシア外相がクリミアへの核配備について語ったこともあり、「欧州からの戦術核兵器撤退が、もはやありえなくなった」(p.94)と記している。

WORLD・IN・FOCUS(菊池雅之)

2008年の「みちのくALERT2008」に続き、震災を受けて昨年実施された「みちのくALERT2014」のレポート。
52自治体、72機関、自衛隊からは1万3000人が参加したもので、米軍も100人参加している。ようは、4年前の教訓を踏まえてということ。
オスプレイが目立ちすぎたきらいはあるが、ほんものそっくりの津波警報を出すなど、参加者の本気度は高かったようだ。

空の防人回想録(12)(鈴木昭雄)

日米協力のためのガイドライン、の自衛隊への影響が書かれていて、海・陸はあまり影響なかったという見方が面白い。当時の陸自は「本土防衛戦のためであっても、米陸軍は不要」という人がそれなりにいたようだ。
後半は、「ミグ25事件」関係。MIG-25の中身がオーソドックスだった件については、整備体制のためではないかという見解を出している。