k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2016年1月号

Newton(ニュートン) 2016年 01 月号 [雑誌]

Newton(ニュートン) 2016年 01 月号 [雑誌]

梶田隆章博士インタビュー

ニュートリノ振動の確認でニュートリノに質量があることが分かった。問題はその質量が軽すぎること。なので、ヒッグス場とは別のメカニズムで質量が生じているのではないか、という辺りの解説。

高次元の世界

最初は「3次元空間である必然性はない」という程度のアイディアだったが、四つの力の統一を考えたときに重力が極端に弱いことが問題(弱すぎて統一が難しい)となり、それに対する回答案の一つが高次元。重力が高次元にも広がっているとすれば、3次元空間では弱くみえる、というもの。
記事中で紹介しているのは、ADD理論(小さく丸まった余剰次元)とRS理論(重力が強い空間が別にある)とUED理論(重力以外も余剰次元に伝わる)。3理論とも超ひも理論を利用しているが、この超ひも理論自体がまだ完成していない。
こうした理論は実証できるのかというと、近距離での重力を精密に測定することで検証できる。
近距離の重力測定が2つ紹介されている。立教大の村田次郎先生とCERNミケランジェロ・マンガノ先生・セルジオベルトルッチ先生・寺師弘二先生。村田先生の実験では、空間が五次元なら測定できる。マンガノ先生は例の「CERNブラックホールができる」の実験の人。近距離で重力が強くなるならブラックホールができることになる。

シャコ

寿司ネタやパンチはともかくとして、目が面白い。
12種類の光受容細胞があり(人間は3つか4つ)細かい色の違いを判別できる能力があるはずだが、実は判別していないらしいとか。現生生物の中で唯一円偏光を検知できるはずだが、何に使っているのか分からないとか。

短信

「光を停止させる」。ハーバード大学のリ博士らの研究で、1570ナノメートルの赤外線に対する屈折率がゼロになるシリコンチップを作ったという話。屈折率ゼロというのは光の振動が止まってみえるということ。