k-takahashi's blog

個人雑記用

安倍晋三の真実

 

安倍晋三の真実

安倍晋三の真実

 

 安倍首相のスピーチライターの谷口氏が書いた、安倍晋三伝。

ちょっと美化しすぎかなという印象も受けたが、基本的には実際にやったことベースの話が中心なので、「なるほどねえ」という部分が多い。長期政権となったことで、「積み上げていく」ことが可能になってきて、それにきちんと裏付けがあるのだという説明が中心となっている。

 

一度は首相を引きずり下ろされた人なわけで、その落ち目の頃にそれでも支えてくれた人達を「信頼できる人」として処遇しているのは、そりゃそうだよねえと。

しかもあとから考えますと、世の中のありとあらゆる人に「終わった」と思われた経験は、それでもついてきてくれる人とは誰かをあぶり出すうえで、またとない機会を安倍氏にもたらしたのだと言えます。(No.996)

 

外交スピーチが専門の方なので、外交関係の大きなイベント(スピーチ)の解説が中心だが、金融政策についても多少書かれている。経済が専門ではなかった安倍氏は、小泉政権時代に福井日銀総裁の「いいデフレ」に違和感を持ち、震災増税に疑問を持ち、2012年に浜田宏一氏から色々と聞いていく、という風に経済政策を練っていったのだそうだ。

 

基本的に他人を批判するよりは、安倍晋三の政策の流れを紹介するのが中心。そういう方針の本なので、「問題あると思うけど、評価しちゃうんだなあ」というのが多い。で、そういう方針にもかかわらず、名指しあるいは名指しに近い形で批判されている人は、相当問題ある人ということなんだろう。

 

2007年のインド、2014年の豪州、2015年4月の米議会、2017年の北朝鮮非難、といった評価の高いスピーチの背景に興味のある方は必読。