k-takahashi's blog

個人雑記用

これでいいのか! 2018年著作権法改正

 

 昨年、怪しげなダウンロード違法化法案を拙速にもほどがあるというゴリ押しを重ねた文化庁。一方で、著作権法があまりにも使い勝手が悪いのでなんとかしないとという議論は10年がかりで極めてスローペースにしか進んでいない。

本書は、昨年5月の改正著作権法について解説する一冊。なぜフェアユースが必要なのか、日本の法体系にふさわしいフェアユース規定とはどんなものか、といったところを説明してくれる。

実を言うと、昨年の改正でAI関連とか使いやすくなったと思っていたのだが、どうもそうとばかりは言い切れないということが本書を読むと分かる。文化庁の動きの遅さを考えると、ホワイトリスト的な運用でダメなのは明らかだが、法律文を解釈するとそういう色彩が強いらしい。

 

読んでいると、同じ内容が何度も出てくる。要するに重要な点が実現できていないということなのだろうな、と思った。支配・弾圧を目指す勢力がいかに大きいかは、ブロッキング問題、ダウンロード問題でも垣間見えたわけで、どうも楽観できなさそうだ。むしろ、後退を防ぐだけで手一杯になるかもしれない。

関係者の努力には敬意を表するが、あまり楽観的にはなれなかった。