k-takahashi's blog

個人雑記用

ロードス島戦記とその時代

 

ロードス島戦記」の立ち上げ、メディアミックス戦略、そして「ハルヒ」との違いといったあたりのインタビュー集。インタビュー(講演)をそのまま書き起こしたものなので、ちょっと読みにくい部分があるし、そもそも検証できていない内容も多い。大事で面白い資料だが、素材ということになるのだろう。

 

一番面白かったのは、「ハルヒは公式が二次創作」という考え方。展開して原作が足りなくなってきたときに公式が「ハルヒだったら・・」というのを始めたのだそうだ。それが許されるほど二次創作が浸透したということなんだろう。

 

小説としてのロードスが、一回リプレイというゲーム形式を通っているというのは面白いポイントで、キャラとかの表現法は確かに違うはず。そこがどう変わったのかとか分析したものがあれば見てみたい。(メディアが変われば表現は変わる。そのときに新しいものが持ち込まれたのであれば、それは重要だ)

ロードスのメディアミックス戦略というのが、受け手の想像力を段々広げていくという見方もなるほどと思った。

 

一方、当時のこととしては、色々不十分な記載も多いかなと感じた。

ドラクエの影響をあまり考えていないところとか、ロードス以前にもリプレイはあった(七つの祭壇とかね)し、ファンタジーっぽさというなら「ローズ・トゥ・ローズ」があった。イラストにしても、トラベラーリプレイにもイラストは(ラノベ風とはほど遠いが)あった。
もちろん、ロードスの価値が高いのは事実だろうが、当時の狭い業界で、関係者がその辺を知らなかったはずはなくて、参考にしたり影響があったりする。