コマンドマガジン Vol.103(ゲーム付)『1940: What If ?』
- 出版社/メーカー: 国際通信社
- 発売日: 2012/02/20
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高原武志氏によるゲームのリプレイは「タイ・ボンバ節」の解説から入っており、やはり癖が強いようだ。ただ、仮想戦には向いているように私も思う。
同じく高原氏がゲーム比較の記事で、偶然と必然のゲームにおける扱い方という視点が出されていた。
作戦級では、状況設定やドクトリンは必然であり、軍事的課題の提示とその解決の部分がプレイヤーに委ねられたもの、すなわち変動部分(偶然)となる。
一方、戦略級では、戦略的変化の部分を必然としてしまうとプレイヤーの存在意義がなくなってしまう。しかし、そこを変動させると話が難しくなる、というわけだ。ここが作戦級と戦略級の楽しみの違いになるというように記事では書かれている。
関連歴史記事は大木毅氏によるもので、「ドイツの対ソ侵攻を主導したのはヒトラーである」という定説に異を唱える新説の紹介。フンボルト大学教授のロルフ=ディーター・ミュラー博士の著作で触れられているもので、確かに面白い。
ただ、大木氏も書いているが、さすがに主張の根拠は不充分で仮説ということになると私も思う。検討していた証拠があった、というだけではヒトラーが主導していたことと矛盾しない。
リプレイ記事のうち2本がソリテアもの(『独ソ戦ソリティア』と『A Week in Hell』)。やはりそれなりに需要はあるんだろう。折り込み広告もソリテアものだったし。
連載の「コマンド士官学校」は「作戦の8大原則」。作戦級ゲームで作戦を立てるうえでの、分かりやすく簡明なまとめだと思う。
「5.防御は常にDEと思え」「6.攻撃は常にDEと思え」「7.防御は状況を変えるな。攻撃は状況を変えよ」の辺りはガイドとして良いなと思った。