「やおよろず神様承ります」(新井素子)
新井素子っぽいなあと思いながら読んだ。「これ、かなりお勧めですよ」と神様を推薦する様子が愉快。
「七十人の翻訳者たち」(小川哲)
文書を統計的に処理するというのは既にあるのだが、それを系統だてていくというのは実際にはどうなんだろう?
「ジェリーウォーカー」(佐藤究)
マッドサイエンティストならぬマッドクリエイター。キャラクタ的に面白い。
「まず牛を球とします。」(柞刈湯葉)
物理の話かと思ったら生物の話だった。先日「ホタテは植物」とかネタが出ていたが、あの辺に通じるストーリー。「横浜駅SF」の人なのね。
「お前のこったからどうせそんなこったろうと思ったよ」(赤野工作)
空想ゲームレビュー小説の人。くどい描写が妙にリアル。
「クラリッサ殺し」(小林泰三)
レンズマンのファンには嬉しいオチ。
「キャット・ポイント」(高島雄哉)、「お行儀ねこちゃん」(片瀬二郎)
ネコネタSF2題。
「母の法律」(宮部みゆき)
虐待救済法が運用されている世界で、虐待経験のある人物のところに・・という話。最後のオチはどっちの解釈なんだろう?
「流下の日」(飛浩隆)
中国流の管理社会が成功していった社会(一応日本が舞台だが)で実は、と書くとなんか凡庸な話に見えてしまうが、でも、飛浩隆なんだからもうちょっと多くを期待してもいいよなあ、と。