k-takahashi's blog

個人雑記用

星新一すこしふしぎ傑作選

集英社みらい文庫という小学高学年向けの文庫の一冊。

この本には「おーい、でてこーい」や「きまぐれロボット」などの有名作や文庫本の表題作は採っていません。他社の少年少女向け傑作集との重複も避けました。(解説、より)

というちょっと変わった方針の選集。有名どころでは、『殺し屋ですのよ』とかエッセイの『超光速』が載っている。
あとは、エッセイの『うきなす』が、書籍初収録だそうです。


私の世代だと、星新一のイラストは真鍋博のイメージが強く、本書イラストのようなタッチはかなり新鮮な感想を持った。(書影の表紙イラストで想像できると思う)


解説の中には「本書未収録」という形で、読者を誘導するような書き方をしている部分もあり、そこで言及されているのが、『暑さ』と『処刑』。どっちも普通の小学生にはちょっときついけれど、わざわざ探しに行くようなませた子ならいいか、というつもりなのだろう。

追記 2013/11/15

選定にあたり多くの制約があったアンソロジー。以前から「既存の文庫版の表題作を、同じ判型の他社アンソロジーに収録しないこと」という新潮社サイドからの希望があったが(そのため文庫版の『日本SF短篇50』にも文庫表題作は選出できず、たとえばかつての新井素子選『ほしのはじまり』もわざわざ判型の違うハードカバーで出版されている)、今回から「たとえ判型が異なっても文庫表題作は採らないでほしい」という要望に変わった。つまりもう金輪際、新潮文庫以外では「ボッコちゃん」や「午後の恐竜」は絶対に読めない、ということになったのだと私は理解している(こうした措置が本当に星新一作品の未来によいことなのか私にはわからない)。この他にも星ライブラリサイドからいろいろな要望があり(決して強制ではないが、そうなると嬉しい、というタイプの要望)、それらすべてを充分に満足させることも難しかった。また版元の希望により、講談社青い鳥文庫の既刊2冊と角川つばさ文庫既刊2冊の収録作は除外した。なんとかそうしたなかで編集者と話し合いつつ、最善の選定ができたと信じているが、熱心なファンの方にはご不満な点も多々あろうかと思う。

http://news.senahideaki.com/article/374178427.html

この新潮文庫の方針は、正直賛成しかねる。