k-takahashi's blog

個人雑記用

NOVA 2019年秋号

NOVA 2019年秋号 (河出文庫)

NOVA 2019年秋号 (河出文庫)

 

こちらは、快調に出続けている短編集。バラエティがあると言えば言えるが、どっちかというと「いかにも今風」という印象の方が強かったかな。

 

『浜辺の歌』(高野史緒
ペットSF。ロボット・AI的にたてつけているけれど、これペットの話だね。


『あざらしが丘』(高山羽根子
捕鯨アイドルSF。なんじゃそりゃという話だが本当に捕鯨アイドル。現実にも農業アイドルがいるのでありだよなあ。
オチは割と普通。


『宇宙サメ戦争』(田中啓文
田中啓文なので、ダジャレ満載。最後もダジャレオチ。さすがだ。


『赤羽二十四時』(アマサワトキオ)
アメリカから流れてきてコンビニ店長をやっているカウボーイ。そこにコンビニ強盗がやってくる。のだが、コンビニが実は生命体で、と何を言っているのか分からなくなってくる。妙にリアルなコンビニ描写が愉快。
これが一番のお気に入りの一作。

 

『破れたリンカーンの肖像』(藤井太洋
イムループもの。突然の技術ブレークスルーの背景にあるものは、という話。

 

『いつでも、どこでも、永遠に』(草野原々)
最近、このパターン増えてるのかな? テイストとしては例のアイマスSFと同類で、しょうもない価値観に向けてロボット的に暴走する話。
シュレーディンガーの猫が収束するのを防ぐ手段には笑った。

では、巨視的なシステムで量子アニーリングをすることは不可能なのだろうか?そんなことはない。巨視的な物体が不確定性を伴う状態。生きているネコと死んでいるネコが同時に存在するような状態はありえるのだ。どのようなときか?
(p.369)