『ドラゴンクエストIV』における人工知能 —開発者インタビューから見るディジタルゲームAI 技術—
人工知能学会誌の2023 年 38 巻 5 号 に掲載されている論文。
なんといっても1990年のこと。加えてパソコンではなくファミコンということで非常に制限が厳しかったなかでそこそこ遊べるAIを実現して見せた。それがどのようなものだったかを、ゲームデザイナの堀井雄二氏、チーフプログラマの山名学氏にインタビューしたもの。
モンスターやキャラクターの能力をいわば「環境」とする工夫と、あとはやはり「プレイヤー側の感じ方」を意識している(50%は50%には感じられないとか、失敗が印象に残るとか。行動経済学的な知見がうかがげる)ところが面白い。
モンスターの脅威度を「恐怖値」としてHPに換算し(失われるであろうHPを合計する)、これを2つ持たせて判断に使うという工夫は、なるほどそういうロジックかと感心した。(最近のゲームのHateとは仕組みが違う。)
記憶がはっきりしないが、と言っているところがあり、おそらく資料も残っていないのだろう。リバースエンジニアリングする物好きが出てこない限りはこれ以上細かくは分からない。