k-takahashi's blog

個人雑記用

日経新聞の喫煙擁護傾向について

カフェなどで紫煙をくゆらす「喫煙大国」のイメージが強い仏だが、“喫煙包囲網”は着実に広がっている。

経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版

ニュース自体はめでたい話なのですが、とにかくこの手のニュースになると日経は印象捜査が酷い。「喫煙包囲網」って何? 「暴煙対策」でしょ?

その後も、

 たばこメーカーの値上げ要請を政府が認めた。政府は計画中の大型減税の財源を賄うのに必死。今回の値上げで販売数が変わらなければ税収は最大で年6億ユーロ(約1000億円)増えると見積もる。(パリ=野見山祐史)(16:00)

経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版

となり、金目当てであるかのような記事にまとめている。


 今週の初めにも、

著者はそうは言わないが、もはや世界の先進国の動向から見ても、喫煙の自由が制限される流れが加速するのは自明の理。そこはいかんともしがたい。しかし、だからといって喫煙者が理不尽にバッシングされていいという理屈にはならない。

『「タバコは百害あって一利なし」のウソ』 武田良夫著(評:速水健朗) ~禁煙は、国策であるべきか?:日経ビジネスオンライン

とか書いている。

 タバコに関する研究論文は世界中で書かれており、すべてに目を通すのは難しい。また、どの学者がどちらの陣営か(たとえば、喫煙陣営のタバコ会社か、嫌煙陣営のWHOか)などということも問題とされ、キリがないし結論も出ない。

『「タバコは百害あって一利なし」のウソ』 武田良夫著(評:速水健朗) ~禁煙は、国策であるべきか?:日経ビジネスオンライン

自分の都合の悪い意見に「議論の結論が出ない」とか難癖付けて誤魔化している。煙草の害の科学的根拠がはっきりしないから無実というなら、世の中の公害問題のほとんど全ては無実だ。伝染病の病原菌が人を死に追いやるメカニズムが分からないからといって、それが分かるまで予防をしなくてよい、という理屈になってしまう。
勿論、哲学レベルの話としてはそういう議論はありうるし、煙草を吸う方が健康になる可能性はある。でも、この記事を認めるというのは、日経の専門分野であるところの経済で言えば、「不正経理を行うことが経済発展を必ず妨げるという証明はできていない。よって不正経理を批判するのは間違いだ。」というのと同じじゃないだろうか。どう思う? >日経

著者は、嫌煙運動がいつの間にか管理社会化運動にすり替わっていないかという疑問を、もっと強く提示すべきではなかったか。本書の“非喫煙者の不寛容”や“為政者によるおせっかいの余計さ”を訴える部分は、喫煙者でなくとも十分に賛同できる。

『「タバコは百害あって一利なし」のウソ』 武田良夫著(評:速水健朗) ~禁煙は、国策であるべきか?:日経ビジネスオンライン

その前に、暴煙者の横暴から非喫煙者を守るのは、喫煙者の道義的義務であることを明記しなさいよ。 嫌煙というのは「私に煙草の煙を押しつけるな」という運動だから、まともな喫煙者と普通の嫌煙者とは共存可能なんだけど、分かってないみたいだ。


 この件に限らず、日経はなぜか喫煙擁護、嫌煙攻撃の記事や印象操作が多い。何か背景があるのだろうけれど、一体なんだろう?
経済誌が本業なんだから、費用対効果見積もりとか、人命損失/健康被害の金銭換算とか、経済の手法を使って、「煙草を撲滅した際の経済的損失が差し引き○○円、自家用車を撲滅した際の経済的損失が差し引き△△億円。よって、煙草よりも自家用車対策を優先すべし」とか言うなら、それは一つの見識になると思う。喫煙を擁護したいなら、そういう記事を書くべきだろう。