9月3日に修正
今日から参加の妻と一緒に会場に。9時半からの受け付け開始だったのだが、ものすごい長蛇の列。まず、手続きの早い横浜市民枠参加者を先に処理してしまうように工夫したものの、10時の時点ではまだ列がだいぶ残ってしまっていました。
この辺が一番長かったタイミングかな
ベンフォード氏と語る Talk with Mr. Benford
科学者がSFを書くこととは、とかそういう話。会場に向かって「科学者の人は?」と尋ねて「今後はもっと増えるよ」とはベンフォード先生の弁ですが、科学者ならカフェサイファイティークに行けばたくさんいました。あとで聞いていたのだと良いのですが。
カフェサイファイティーク
「理系で眼鏡で白衣な博士」と楽しいお話をしながらお茶しましょう、という企画を見に行く。能力がある人がまじめにバカをやると実に楽しいです。過冷却水を使ったマジコールドリンクが、水をカップの注ぐ先から凍り付いていくという愉快な趣向。
光る眼鏡とか、アンドロイドネジなどの愉快なガジェットも見られます。なお、時間制料金なので話しすぎにご注意を。(^_^)
飲み物カップ
デザート
近くの机
チビロボ
"サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ! Front Line of Science and SF
豪華なメンバー
通称「瀬名企画」。ロボット・AI系研究者8名、SF作家4名、プラスαを結集させて、科学の話題とSFとの関わりについて語り明かそう、という趣旨の「5時間」企画。
途中にデモタイムを入れたり、無料珈琲を振る舞ったり、新著を無料配布(私は購入済みでしたので貰いませんでしたが、ほとんど全部はけていたようです。瀬名先生の本なら大外れはしないと期待できますから。)と相変わらず工夫を欠かさない瀬名先生ですが、さすがに人数も話題も多く、5時間でも全然足りていませんでした。2時間企画を複数回の方がよかったのかもしれない。
ちなみに、こちらが珈琲をサーブしていたメイドさん。フレミング左手の法則の形で左手をあげると珈琲が貰えるという仕組み。
メイドさん。写真撮影とかもしていました。
コーヒー要求のサイン(フレミング左手の法則)
色々あったので個条書きで(発言は正確ではありません。私のメモベースです)。瀬名先生のことですから、きっときちんとした報告書は別途あがるでしょう。
- 大画面にロボットのカメラ映像を映して、それを見ながらコントロールするとき、振動を伝えてやると乗り物酔いしにくい(梶田秀司)
- ロボットひとこけ200万(梶田秀司)
- モーションキャプチャした舞踊をそのままロボットに入力しても重心の関係で上手く動けない。再計算が必要(梶田秀司)
- テレプレイをうまく動かすには予測が必要。これは一種のタイムマシン。(川人光男)
- 正しい疑似科学を広め、エセ科学を排除することをSFに期待したい(川人光男) (ここでは、「疑似科学」を肯定的文脈で使っている)
- 知覚や感情の制御をどうするのかは倫理問題として重要。だが、どうせ研究者はやるだろう。(川人光男)
- 卵から人間までの50年間を再現したい(國吉康夫)
- 現象を計測すると情報になる。だからセンサーが大事(前田太郎)
- センサー群だけを作り、動作は人間に任せるというパラサイトヒューマンの発想(前田太郎)
- 人間への入力をうまく模倣する仕組みの紹介。人間が知覚できない制御も可能(前田太郎)
- 自己認識の他者認識起源論(岡ノ谷一夫)
- ポストヒューマンは社会性をどのように克服しているのか(橋本敬)
- コンピュータはSFがうまく予言しなかった技術である(中島秀之)
- コンピュータ、ネットワークの次に来る技術をSFに提示して欲しい(中島秀之)
- 知性とはコミュニケーション(松原仁)
- 論文では書きにくいことはSFで書いてしまえばよい(堀晃)
- どこまで人間はロボットだと言えるのか、それを言って貰えると安心できる(山田正紀)
- 個人の幸せが何であるかはよくわからない。可処分意思(?)
- チューリングテストで分かったのは、知性が何であるかではなく、人間による知性の判定がいかにいい加減であるかということ。
- SFはScienceFictionというよりTechnologyFictionと言う方が近い?
- チューリングテストにパスするネズミを作ったとして、その時ネズミは何を感じているか?
- 小松左京先生にパラサイトヒューマンスーツを着せて、それを堀晃先生に着せるとどうなるだろう
- 今日の議論の身体性は男性性が強いのではないか、女性は別の感覚を持つのでは?
あとは、SF者としては、やはりイーガンてただ者ではないのだな、と思いました。イーガンネタでAI研究者を招いたパネルというのはどうでしょうか? >瀬名先生
と思ったら、御自分のブログでまた弱音を吐かれている瀬名先生。(http://news.senahideaki.com/article/53593937.html)
少なくとも私は聞く価値のあるセッションだと思いましたし、研究者・作家の先生方も、途中で放り出されるよりも続けて貰う方が有益と感じるだろうと思います。
ヒューゴー賞授賞式
会場のメインホールに向かったら、「もう満員です。501号室に中継をしますから、そっちへ行ってください」と冷たい宣告。ヒューゴー賞授賞式を生で見る機会なんて次があるかどうか分からないのになあ。
発表前にウルトラマンショー。ちょっと長すぎたような気がする。
司会はジョージ・タケイ氏と大森望氏。漫才を交えながらの式進行でした。
私は別室での聴講でしたが、近くに座っていた外国人の方が、発表のある毎にオーバーアクションな反応をしていて面白かったです。最初はてっきり関係者かと思っていましたが、単に熱心なファンだったようです。
投票したのは、ショートストーリー、短編、中編、映画の4部門だけ。さすがに読んでもいないものに投票するわけにもいかないので。この範囲で言えば受賞結果には概ね納得。
最後はタケイ氏のヴァルカンサインで〆。